また政界の雲行きが怪しくなってきた。民主党の鳩山代表が献金問題で謝罪。日刊スポーツ紙は「鳩山代表献金認める カネで“連敗”」と囃し立てている。東国原宮崎県知事の「オレを総裁にしたら」発言といい、最近の政界模様は、もっぱらスポーツ・芸能紙ダネということか。
<民主党の鳩山由紀夫代表(62)の政治資金管理団体に、故人からも献金を受けていた問題で、鳩山代表は6月30日、「報じられた指摘は事実で、ほかにも見つかった」と謝罪した。05年から4年間で約2100万円あった。原因は、会計実務担当の秘書が、支持者への寄付依頼を怠ったことを隠すためとされる。民主党が小沢一郎前代表に続く代表のスキャンダルで揺らぐ中、麻生太郎首相は敵失に乗じてか、役員人事などを2日にも行う方向だ。
鳩山氏は衆院選への影響を考え「民主党代表としてではなく、鳩山由紀夫個人として」と前置きし、会見をスタートした。
会見では、05~08年の4年間に虚偽記載された献金者は90人で、193件あり、総額2177万8000円に上ることが明らかにされた。鳩山氏は虚偽記載の理由を「私への個人献金があまりに少ないので(会計実務担当者が)大変だと思ったようだ」と、会計担当秘書が資金集めを怠っていた事実を隠したいと、独断で行ったという。使った資金は鳩山氏本人の口座から使用され、不正な資金ではないと説明したが、苦境は避けられない。
鳩山氏は自身の責任の取り方について「チェックしていなかった。申し訳なく残念」とした上で「幹事長に報告し、幹事長の判断に基づいて行動したい」とした。一方で、「鳩山個人の事務所の問題。代表を辞めることを考えているわけではない。反省する中、代表としての責務を果たしていきたい」とした。衆院選に向けては「影響なしとはしない。説明責任を果たし、最小限にとどまるように努力したい」。小沢前代表に続き、再び代表を襲った不祥事。鳩山氏は「情けない」と神妙な表情の中に悔しさをにじませた。
一方、ここまで死に体だった麻生太郎首相は敵失に救われた形。この日は鳩山氏とは対照的にご機嫌だった。8月上旬の衆院選を念頭に選挙態勢の強化を目指し、自民党役員人事と閣僚補充人事を7月2日にも行う方向で調整に着手した。党内では衆院解散・総選挙を目前にしたこのタイミングでの役員交代に反対の声が強いが、首相は30日夕「私が決めさせてもらう。しかるべき時にしかるべき方を、と前から考えていた」と、検討していることを初めて明かした。
小沢氏が巨額献金問題にからみ代表辞任に追い込まれた際は、解散のチャンスを逃した。鳩山氏の問題は接戦が伝えられる静岡県知事選や都議選にも影響してくるはずだ。相手のつまずきに乗じて、風向きを変えられるか。麻生首相は一気に動く構えを見せている。(日刊スポーツ)>
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