3581 シルクワームの発射か、 古沢襄

[ソウル 2日 ロイター] 韓国の聯合ニュースは、韓国政府筋の話として、北朝鮮が2日に4発目の短距離ミサイルを試射したと伝えた。
これより先、韓国国防省は、北朝鮮が0820GMT(日本時間午後5時20分)から1050GMT(日本時間午後7時50分)の間に朝鮮半島の東岸から3発の短距離ミサイルを発射したと発表していた。(ロイター)>
【ソウル2日共同】韓国国防省や軍関係者によると、北朝鮮は2日夕から同日夜にかけ、東部の咸鏡南道咸興市の南方、新上里などから、日本海に向けて短距離ミサイル計4発を発射した。
発射したのは午後5時20分、6時、7時50分、9時20分(日本時間同)ごろ。少なくとも最初の3発は地対艦ミサイルで、100キロ前後沖合に着弾したと推定されており、詳しい分析を進めている。
北朝鮮による短距離ミサイル発射は5月29日以来。国連安全保障理事会の制裁決議が発射を禁じた弾道ミサイルではないが、訓練や性能試験目的に加え、対外的示威を狙った可能性がある。
北朝鮮が米国の独立記念日(7月4日)や故金日成主席の命日(同月8日)に合わせて弾道ミサイルを発射するとの観測も出ており、関係国が警戒を強めている。中距離弾道ミサイル「ノドン」などの発射の可能性が指摘される南東部の旗対嶺で特異な動向は捕捉されていないが、ノドンは短時間で発射準備が可能とされる。
北朝鮮は6月22日、日本の海上保安庁に「軍事射撃訓練のため」として、7月10日まで東部沿岸に長さ約450キロ、幅約110キロの航行禁止海域を設定したと通告していた。同省関係者によると、今回の着弾地点はこの範囲内とみられている。(共同)>
北朝鮮の”ミサイル威嚇外交”は止む気配がない。今回の四発発射は国連安全保障理事会の制裁決議が禁じた弾道ミサイルではないが、共同電は最初の三発は地対艦ミサイルで、100キロ前後沖合に着弾したと推定している。
朝鮮戦争以降、朝鮮半島情勢が危機的な状況となった一九九四年、米第七艦隊が北朝鮮の元山沖の日本海に集結したことがある。この危機は回避されたが、北朝鮮は東海岸の拠点に地対艦ミサイル・シルクワームを配備したことが確認されていた。
シルクワームはソ連製Rー15をベースに、中国が開発した地対艦巡航ミサイル。射程は100キロ程度で、中近東の多くの国でも使用されている。
中国は1980年代から、より高性能なYJー8型に置き換えてきた。北朝鮮が保有しているシルクワームは、すでに旧式化しているが、弾頭重量が大きく、命中した場合に艦船に与える被害は無視できない。
いずれにしてもシルクワームは、今更、発射テストをするものではない。明らかに米第七艦隊の日本海集結を意識した”威嚇射撃”であろう。
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