孫子の兵法に、「最上策は戦わずに勝つことだ」というのがあった。「中華的戦略戦術」というサイトにはこうある。
<百戦百勝は善の善なるものに非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり。 (百度戦闘して百度勝利を収めるのは、最善の方策ではない。戦わずに敵の 軍事力を屈服させることこそ、最善の方
策なのである)>
中共は一滴の血も流さずに台湾を事実上併呑しつつある。台湾は国共合作で香港同様の事実上の一国二制度になりつつある。経済的に中国と一体化、緊密化しつつあり、もはや後戻りできないのは米国も日本も同様だろう。
米国債の最大の保有国は中国で、日本の最大の貿易パートナーは中国なのだ。
日本の観光産業も中国市場にやがては縋ることになりそうだ。「中国人の海外旅行が急増中 2012年には年間1億人超」と「人民網日本語版」2009年7月2日がこう報道している。
<日本政府は7月1日、中国人に向けた個人旅行ビザの発給を正式にスタートした。日本を旅行する中国人観光客を毎年15万人ずつ増加させるねらいだ。
世界の観光市場が金融危機で打撃を受ける中、中国人の海外旅行は依然として増加しており、世界の観光市場を引っ張る重要な動力となっている。「中国新聞網」が伝えた。
香港紙「文匯報」によると、世界観光機関は、中国の海外旅行者数が2015年までに年間延べ1億人を超え、中国が世界第4の旅行大国になると予想している。・・・
中国国家観光局の最新データによると、今年1月から4月までに・・・海外に観光で出国した中国人は、昨年同期比4.64%増の延べ1587万5千人に達した。中国人の海外旅行者は昨年通年で延べ4600万人におよび、前年から12%近く伸びた>
世界中に中国人があふれる。すさまじい購買力が世界を席巻する。「米国での買い物額でも日本を抜いてトップとなった」という。経済人なら「中国様々」と歓迎し、もはや抜き差しならぬほどの関係になっているのだろう。
中共はいつでも反日、反米、反仏などの暴動やデモを引き起こすスイッチを握っている。日貨排斥、日本人排斥を呼びかければ全土で日系企業や日本製品、日本人は甚大なダメージを受ける。人質をとられているようなものだ。
外交は和戦両様だが、「戦」のない日本はきわどい場面ではNOと言えない、YESと引き下がるしかない。これでは外交にならない。
そうならないように中国とはきちんと距離を置いた関係を保つべきである。中国人の入国はハードルを高くして、入国者総数の何割かにとどめるといった規制(ゲストミックス)をしないと、あらゆる施設が中国人であふれかえり、それは中国人以外の人々の顰蹙を買うだろう。
中国人旅行者のマナーの悪さについては「人民網日本語版」でさえ特集していたが、我々は自衛しなければいけない。
一事が万事、朱に交われば紅くなるから、台湾を他山の石としてご用心ご用心。
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