ウィグルで大暴動が発生、三名が死亡、五百人を拘束。省都ウルムチで漢族支配に昔年の恨み、三千人から一万が暴れる。
「多維新聞」(7月6日)は「烏魯木齊維人騷亂」として大きく報道。鳥魯木斉はウルムチ、維は「ウィグル」をあらわす。
ウィグル人の組織「世維会」は六月の広東玩具工場でのウィグル人差別に端を発した大暴動の鎮圧に当局がウィグル人を差別したことを非難し、7月4日夜の会合で、翌日の抗議集会を決めた。
広東玩具工場では漢族によりふたりのウィグル人が殺害された。
7月5日、ウルムチ市内人民広場に集まりだしたウィグル人は、これを警戒する警察車両50両に挟まれながら、一部が新華南路、解放路に飛び出し、交通を遮断、クルマを燃やすなどしたため騒乱に発展した。
「世維会」は抗議に立ち上がったウィグル人は一万名を越えると発表した。「漢族の死亡三名」としている。
「中国では6月下旬、広東省韶関市の玩具工場で、同自治区から出稼ぎに来ていたウイグル族の労働者が漢民族に襲われ2人が死亡、漢民族を含む118人が負傷する事件が起きており、反発したウイグル族が暴動を起こしたという」(日本経済新聞、7月6日)。
なお、中国はこの事件を一切報道していない(午前六時現在)。
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(読者の声1)IAEAの事務局長に日本人が選ばれたそうですが、これは手放しで喜んで良いことなのでしょうか?
私は、以下のような不安を抱いております。
(1)これで当分の間、日本の核武装(による国防)は困難になる。
(2)故に北朝鮮や中共に対して、単独では無防備状態になる。
(3)故に今後も米国の言いなりにならざるを得なくなる。
(4)「No」と言えない国の人間が事務局長になったために、IAEAを軽んじる傾向が強まる。
(5)見栄張り好きな日本の政治家や官僚が、核不拡散などでのリーダーシップやらイニシアチブやらを口にして、今まで以上の“譲歩しまくり外交”や“ばらまき外交”を展開するようになる。
(6)厄介な問題が起きた時、日本の責任が問われる(負担を求められる)ようになる。何となく“貧乏くじ”を引かされたような気がしてならないのですが…。(T.T)
(宮崎正弘のコメント)御懸念はごもっともですが、べつに日本の責任云々はないでしょう。国会議長が党籍を離脱するように、別段、いまのバンキム国連事務総長が無能で批判が多くとも、それを韓国の責任とする論調はありません。ガリが反米の動きを示しても、特段、かれのエジプト国籍をだれも問題としなかったように・・・。
さて問題は核拡散です。パキスタンの核がサウジへ拡散するとき、イランが核を保有したとき、世界はどうなるか? 核拡散防止条約体制が吹き飛ぶわけですから、同時にIMF世銀というブレトンウッヅ体制も吹き飛ばされるかも知れない。
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(読者の声2)イランで民衆が弾圧されたと思いきや、北朝鮮がミサイル発射と国際社会というのはこうも世知辛い。
宮崎先生によれば北朝鮮による核の小型化、ミサイル搭載はまだ少し時間的猶予があるとの事。政府には是非とも東京や大阪が広島・長崎に続か無いように何らかの手を打って欲しいものです。
ところでミサイルと核がまだ繋がらないと枕を高くして安心したいところですが、あの自国民300万人を餓死させた気違いの指導者の事ですので何をやるのか分かったものじゃない。嫌な事ですが、半島有事の際に化学兵器が使われる可能性がある。
その証拠に、昨年、北朝鮮はドイツ国内で生物・化学兵器への転用が可能な機器を調達しようとしてドイツ当局に阻止されている。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090331/kor0903312311011-n1.htm
しかも2007年末には北朝鮮のミサイル技術者がシリアを極秘で訪れ、「化学兵器の弾頭搭載」問題についてシリア側と協議している。
勿論、シリアのはイスラエル攻撃用ですが、北朝鮮がその技術を対日ミサイルの弾頭として用意していると考えた方が良い、というより考えるべきだ。
さらに2007年7月にシリアの軍事施設が実験中に爆発が起きて数十人が死亡。中にはイラン人、シリア人、朝鮮人とテロと核の同盟は化学兵器部門にも及んでいる事が分かる。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/071125/kor0711252035001-n1.htm
宮崎先生によると、核シェルターなど安全保障の詳細について立ち入って協議すると、「いまの日本では国防意識を高めるより恐怖を煽ることにもなりかねず」との事ですが、今年韓国軍はソウルの地下鉄駅で神経ガスによるテロが起こった事を想定した訓練を実施。
http://www.youtube.com/watch?v=cKvunMoEu8c
こういった事も、「恐怖を煽る」事と判断されるのか?しかし、考えてみれば、日本こそが実際にオーム・テロ集団による実際のテロの被害に遭って五千人もの被害者を出している化学兵器経験国ではないか。だが、以降、化学・生物兵器対策の訓練が行われたとは聞いた事が無い。失敗の経験から何も学ばないなんて。(DoraQ)
(宮崎正弘のコメント)日本の公安当局も、核より化学兵器を警戒しています。JR東海も新幹線爆破より、テロリストが車中で化学兵器を散布するテロをもっとも警戒しています。サリン事件から十三年、「(災害は)忘れた頃にやって来る」
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3603 災害は忘れた頃にやって来る 宮崎正弘

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