3635 腐敗、不正蓄財で名前が挙げられた共産党高官 宮崎正弘

いずれも団派と繋がり、汚職が文化の中国で高官の摘発は稀、政局がらみか。賀国強(政治局ナンバー9,規律・公安の元締め)が準備した腐敗高官リストを『月刊多維』が報じている。
一説に、胡錦涛イタリアG8出席の不在を狙って、団派の失脚を狙っていたとされる。李克強と結びつく人脈が目立つため、李克強への狙い撃ちではないか、とされた。
『月刊多維』に拠れば、取り調べを受けて身柄が拘束されていると推定されるのは、
 甘粛省書記 陸浩 
 遼寧省省長 陳政高
 河南省副省長 李克
 杭州市書記 王国平
 福建省副省長 陳昌平
 中国民航総局長 揚元元
 らである。
とくに陳政高は、07年に遼寧省書記から政治局へ大出世した李克強の後釜。82年に共産主義青年団。王兆国、胡錦涛の跡をついで大連市の共青団書記を歴任した。93年に大連市副市長から代理市長。05年に瀋陽市書記。
この瀋陽時代に公安局長だった劉和と組んで、市内の開発利権をあさって不正蓄財に励んだという。本渓の銀行口座が応酬されたという報道もある。
汚職は文化という中国で下っ端役人ならともかく、高官が取り調べを受けるのは稀なケースであり、政敵追放のためスケープゴーツをなることが多い。
 
90年代初頭に陳希同(当時の北京書記)が失脚したときも、こんな大物が逮捕されるのはよほどのこととされ、香港財閥に北京の銀座(王府井)の土地使用を認めた賄賂事件がクローズアップされた。
当時の北京副市長が自殺。そのボスであるという理由で腐敗不正が暴かれ、懲役16年。いまも内蒙古自治区の刑務所で暮らしている。陳希同は古参幹部で、当時は現役政治局員だった。江沢民の政敵。先輩風ふかして江沢民に徹底的に対抗し、邪魔ばかりされた江沢民、よほどの決断だった。
このあと07年の上海書記の陳良宇の失脚事件まで現役の政治局員の失脚はなかった。
陳良宇の場合は悪徳デベロパート組んで上海開発の利権にからみ、とくに土地の収用と住民立ち退きに『辣腕』を振るい、デベロッパーから賄賂を取ったばかりか、上海市職員組合の保険基金のカネも流用し、不動産投資に当てていた。
陳は江沢民の保護を受けており、失脚はあり得ないとされたが、江沢民もあまりの腐敗にかばいきれず、陳は遠く天津へ移送され懲役。
しかし上海市書記の後釜は、江沢民に近い習近平が就任し、その習はいきなり政治局常務委員へ三段跳びの出世、国家副主席、つぎの主席に有力とされるから、ま、中国の政治が浄化されることはないでしょう。
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