ラクイラ・サミットにともない、日ロ首脳会談があったが、予想通り北方領土解決に向けたロシアからの具体的提案はなかった。
麻生首相が「領土問題で具体的な進展を図る用意がないのであれば、アジア太平洋地域のパートナーとしての関係を構築することにはならない」とメドベージェフ大統領に毅然とした態度を示したことは、今年最初に樺太で同大統領と会談したことや、春のプーチン首相のやりとりでも麻生首相の危うさがあっただけに、国民としては安堵した。
しかし、ロシアはやはり本腰になって領土問題を考えているとも思われない。
実は9日、北方領土返還運動大阪府民会議の平成21年度定期総会があり、小生も神道政治連盟からということで出席し、記念講演で木村汎先生のお話を伺ったこともあり、かなりの関心を持っていた。
講演の中では、ロシアの不景気は日本の比ではなく、日本のようにバブルも経験したこともないために、対応策がないこと、従って日本の経済、製造業、省エネ能力などの協力が不可欠であること、領土問題の最終決定者はプーチンであり、今までロシアの経済状況次第によってニュアンスを変えてきたが、現在は擦り寄る姿勢を示していること、従って「日ロの関係発展を阻害している領土問題も解決する必要がある」との発言をするようになっていること、わが国は確固たる返還要求意志を継続することが必要であることを強調された。
その意味では今回の麻生首相の姿勢は評価されるべきではないのか。
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3657 評価される麻生首相の対ロシア交渉 丸山公紀

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