日本の選挙は諸外国のメデイアにとって「世界のローカル・ニュース」。扱われても一段ベタ記事程度だった。自民党の長期支配が崩れ、細川政権が誕生した時も、外国メデイアの扱いは冷淡であった。
その原因は日本の政治ニュースが”内向け”の内政ニュースに偏っていたためであろう。世界に影響力を与える様なダイナミックな変化を生じていない。宮沢内閣であろうが、細川内閣であろうが、米国に従属する日本外交には基本的な路線に変化はない。
ニュース価値としては、北朝鮮の動向の方が遙かに高い。金正日総書記の病状の方が、日本の政権交代よりも世界ニュース価値が高い。
毎日新聞によれば、今度の政権交代を賭けた日本の選挙に各国は強い関心を示しているという。「ホンマかいな」と思うが、それが事実だすれば、民主党政権になれば日本の外交方針が大きく転換するという期待と危惧があるのではないか。
しかし、それは誤解であろう。民主党政権になっても日米関係が基軸という外交スタンスは変わらない。それが分かれば、日本の選挙に関する関心もベタ記事程度のものになるのではないか。日本政治の大転換が予想されるなら、米国の駐日大使がまだ着任していないという”空白”を、そのままにして置く筈がない。
<【北京・堀信一郎、ソウル大澤文護、モスクワ大木俊治、古本陽荘】21日の衆院解散は、各国も強い関心を示している。
米政府は、衆院選の結果が日米同盟に与える影響を注視する。優勢と言われる民主党は、沖縄県の米軍普天間飛行場の移設計画変更や日米地位協定見直しなどを提案。政権を取った場合、同盟関係にすきま風が吹くとの懸念はぬぐえない。
中国国営新華社通信は同日、「自民党の選挙情勢は厳しい」と分析。他国の内政には踏み込まない中国の立場を考えると、この分析は中国共産党が民主党政権誕生を視野に入れていると推測できる。
韓国のメディアも、日本の各世論調査が「民主党圧勝」を予測していると報じ、政権交代の可能性に強い関心を示した。
ロシアでは、民主党の鳩山由紀夫代表が長く日ロ協会の会長を務めてきたことに注目が集まっている。タス通信などは、選挙の展望を詳しく報じ、民主党政権誕生への期待が高まっていると報じた(毎日)>
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3691 衆院選に各国も強い関心?「ホンマかいな」 古沢襄

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