ウォールストリートジャーナル(WSJ)電子版がここ1ヶ月ほどの間に「有料記事」を増やしてきている。7月25日付のトップページには31本の記事が掲載されているが、有料記事は11本にも増えた。
最初はこわごわ始めたが、ある程度反応はあったのだろう、有料記事を少しずつ増やしてきた。
鍵マークのついた有料記事をクリックすると、記事の最初の10行ほどが現れ、「もっと読みたい場合は購読を ただいま2週間お試しキャンペーン中」の案内が出る。
有料記事はWSJ紙が「これはうちだけの記事だ、価値は高い」と自信を持っているものだろう。しかし、アクセスランキング上位5位に有料記事は1本しか入っていなかったから、読者の多くは「有料なら別に見なくてもいいや、そのうちに他紙に類似記事がでるからね」と敬遠しているようである。
ニュースサイトは「只で当然」となってしまっているから、今さら課金は難しいだろう。投資家や金融界など情報速度で一刻を争う人々なら有料でも見てくれるが、多くの人々はそこまでの速報性は要求していない。
ウォールストリートジャーナルの経営もかなり厳しく、何とか売上げを上げるために必死なのであろう。新聞界はいずれも青息吐息である。
ところでワシントンポストは今年の最初の3カ月間だけでも合計5400万ドル(50億円)の赤字を出したそうだが、恥も外聞もなく1回の参加費が200万円超という高級サロンを企画して大顰蹙を買ったと産経新聞が伝えている(7月25日)。
<同紙は6月末・・・現社主の名で「私の自宅での夕食会『ワシントン・ポスト・サロン』でオバマ政権や議会の要人たちと静かなオフレコの懇談をしませんか」という宣伝パンフレットを多数の企業や読者に配布した。
その懇談は同紙の編集長が司会し、記者たちも加わり、その場で現在の政府や議会のVIPたちと親しくなれるという触れ込みだった。
ところが参加者は懇談の・・・スポンサーとして1回の夕食会に2万5千ドル、合計11回の夕食会シリーズ全体ならば計25万ドルの支払いを求められていた。・・・
だがこの試みは、ネット政治情報紙のポリティコや競争紙のワシントン・タイムズにただちに「ワシントン・ポストは報道機関として得た政府や議会への特別のアクセスを商品として売ろうとしている」と批判的に報道された・・・>
日本の新聞界も業界の恥部「押し紙」については一切知らぬ存ぜぬで通しているから、人には正義を要求しても己には甘く、貧すれば貪す、で何をするか知れたものではない。
地位を利用して納入業者から広告を出稿させる、値引きを強要するのなんて常習化しているのではないか。
新聞は第3種郵便物規定で、広告ページ数は記事ページ数を越えてはならない。だから必然的に広告が増えれば総ページ数も増えてしまう。無駄であるから、広告は3分の2まで認めてはどうか。
36ページ立てなら、今までは広告18ページ、記事18ページ。これが記事が12ページになり、合わせて30ページで、6ページの資源の節約になるからコストも減る。
ページが多ければいいなんていう時代ではない。読者だって簡潔に書かれた記事を歓迎するだろう。小難しいことをだらだら長く書いたものより、要点を分かりやすく書いてもらえば時間の節約になる。
詳しく知りたければネットでどうぞ、と案内すればいい。ここにめでたく新聞とネットは相互補完的に融合するのである。
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