民主党政権になれば、インド洋で補給活動中の海上自衛艦は、来年一月で撤収すると鳩山代表は明言した。これまでは米国など補給対象国への配慮から、政権交代しても直ちに海上自衛艦を撤収させないと、鳩山代表は言ってきた。
しかし海上自衛艦の派遣そのものを「憲法違反」としてきた民主党の方針とは矛盾する。政権交代で直ちに撤収せず、来年一月で撤収するという鳩山発言は”苦肉の策”といえよう。
米国は民主党の撤収方針に懸念を示している。韓国の盧武鉉政権下で米韓関係が悪化した様に、日本も鳩山政権になれば、日米関係が冷え込むのではないか。
鳩山代表の祖父・鳩山一郎氏が首相になった時にも、日本国内の鳩山ブームをよそに、米政府は日ソ国交回復に走る鳩山民主党の政策に危惧感を隠さなかった。歴史は繰り返すのかもしれない。
<民主党の鳩山由紀夫代表は29日、遊説先の熊本県菊陽町で記者団に対し、衆院選で政権を獲得した場合、インド洋で補給活動中の海上自衛隊について、改正新テロ対策特別措置法が期限切れとなる来年1月で海自の活動を終了し、撤退させることを明言した。また、期限切れまでの間に、米国と協議の上、海自派遣に代わる貢献策を策定することも表明した。
この中で、鳩山氏は、改正新テロ特措法について「(来年1月以降は)延長しないというのがわれわれの立場だ。その間に、米国のオバマ大統領との信頼関係を築いていく中で、(新たな貢献策について)しっかりとした結論を見いだしていく」と語った。
民主党は米国など補給対象国への配慮から、政権交代しても直ちに海自を引き揚げさせない考えを強調してきた。ただ、これまで派遣の根拠となる特措法延長に反対し続けた経緯から、「ぶれた」と批判されていた。このため、派遣継続と即時撤退の折衷案として、法律の期限切れに伴う撤退を選択したとみられる。
ただ、同党は派遣そのものを「憲法違反」(当時の小沢一郎代表)と批判してきた経緯がある。憲法違反だとするのなら、衆院選後に民主党を中心とする内閣が発足したら、ただちに海自の撤退を進めるべきで、活動を当面継続する理由は不明確だ。
給油活動に代わる民主党のアフガン支援策も具体像はみえない。
オバマ米大統領はアフガン政策を重視しているとされ、同国へのテロリストや武器の流入を阻止するための海上での活動から海自が退くことの影響は小さくない。政府は昨年6月、アフガンに現地調査団を派遣したが、治安の悪化などから自衛隊の本土派遣は見送っている。海自のインド洋からの撤収で自衛隊による貢献策がなくなれば、「米国は対アフガンで巨額の財政支援を求めてくる」(防衛省筋)との見方がある。(産経)>
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3732 インド洋給油は来年1月で撤収 古沢襄

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