3742 ラビア・カーディル世界ウイグル会議議長、自民党本部に来たる!  福島香織

■きょうは、読売新聞に自民党マニフェスト全文が抜かれて、永田町の記者(読売をのぞく)にとっては大あわての1日だったのかもしれませんが、私としては、自民党本部でラビア・カーディル世界ウイグル会議議長本人を間近に見たことがなかなか、感激でした。考えてみれば、本人を目の前にしたことなかったんだよね。ビデオメッセージとかはよく見たけれど。
■カーディル議長は29日午前9時から約1時間半、党本部で衛藤晟一氏、岸宏一氏、山谷えり子氏、岩城光英氏、西田昌司氏の五人の参院議員と会談。日本政府に、「7・5事件」(7月5日に新疆ウイグル自治区ウルムチで発生した〝暴動〟事件)の死者数の調査を含む真相解明のための調査団派遣を要請したほか、大勢の行方不明者(おそらく拘束されている)の解放と世界ウイグル会議との対話を中国当局に働きかけてくれるように求めました。
■以下、その会談後の、カーディル議長および衛藤氏の会談後の記者団に対する発言(オンぶら)をそのままアップします。(またもや、手抜きですみません)。中国の公式発表を疑うのと同様に、カーディル議長の主張する情報が正しいかどうかは、私にはわかりません。ただ、議長のほとばしるような怒りと悲しみの言葉(ウイグル語だからぜんぜん分からないのだけれど)を耳にすれば、やはりこの声を完全無視するような国であってほしくはないと思いました。
■ラビア・カーディル世界ウイグル会議議長、
自民党参院議員と会談!ただし、執行部は総選挙で忙しくて会えませんでした。(中国様から圧力受けたからじゃないよっ!?)
■ラビア:中国側が公表しているより、何十倍もの人が撃たれて死亡しているという情報をわれわれはつかんでいます。その実体調査を、アメリカ議会にも訴えますけれど、日本も第三者の独立した調査団を現地にちゃんと派遣してほしい。中国が本当に自信があって、ウイグル族が暴動を起こしたということ、漢人ばっかりが被害を受けたと主張するなら、(そういう第三者調査団を)ちゃんと受け入れてくださいということです。
■ラビア:今回のデモは、単に中国の旗しかもたない平和的なデモだったんです。中国は話し合いに応じるのではなく、デモの指導者たちをいきなり拘束して、軍の戦車をいきなりデモ隊に進めさせたため、その下敷きになって大勢の学生たちが死んだわけですけれども、結局、平和的にはじまったデモを平和的に終了することを許さなかったのは中国の暴力であって、デモを暴動に発展させたのは中国自身です。
■ラビア:今回、中国政府の発表では200人以上が死亡して、1000人以上がけがしたといっていますが、それが漢人だけだといっていますが、私たちは誰ひとりそんな数字を信用していません。中国は自分に都合のいい情報しか流しませんから、そんな情報は一切信用しませんし、私が現地から電話などでもらっている情報によると、現場の発砲で撃たれて死亡した人は数千人と聞いていますし、デモがあった夜にウルムチ市内で一斉に電気を消して、真っ暗な状態で四方八方からデモに向かって無差別に発砲したと。そういうことがいろんなところから聞こえてきます。そこで死亡した人は数千人にのぼると。
■ラビア:その事件の次の日から、一軒一軒当局が家にはいってきて、男の人たちを拘束して連行しているんですね。7日に女性たちが記者団の前に現れて家族を帰せと叫んだのも、家族がその一晩のうちにいなくなったということの裏づけです。死亡したのか、刑務所にはいっているのか、とにかく無差別拘束のあらわれです。
■ラビア:私は、国際社会に対し、国連に対して、中国が本当に自信をもってこれがウイグル族の暴動だと、被害者は漢人だけだということが言えるなら、ちゃんと公開してください。第三者の調査団を受け入れてくださいということをぜひとも訴えたい。
■記者:日本に訴えたいことは?
ラビア:今回死亡した人の本当の数の実体を調査するために、日本政府として調査団を派遣してほしい。その翌日から不当に拘束されて行方不明になっている人も10000人以上いるんですけど、その人たちの行方を明らかにするために中国政府に圧力をかけてほしい。
■衛藤氏 :(デモの原因となった広東省のおもちゃ工場の暴行事件について)800人のウイグル人に対し漢族が3000人ぐらいで一気に暴行を加えて、ほとんど、この人たちがいなくなった。そのうち十数人の方が亡くなったのではないか。あとはちりぢりになった。あるいは拘束されたか。その処理をめぐって、中国、警察は何も手を打たない、ということでウルムチでちゃんとしてくださいよ、という平和的デモをやったにもかかわらず、中国から発砲を受けたということですね。
■衛藤氏:テレビ報道をみても分かるように、武器をもって道具をもっているのは漢人ですし、ウイグルの人たちがもっていたのは中国の旗です。平和的なデモに対してそういうことを行った。発表では漢人が200人死亡したというが、そういう事実というのはまったく見受けられない。逆です、おそらくその10倍くらいのウイグル人の方々が亡くなっているのではないか。また、10000人くらいの人が行方が分からないと。拘束されているのかもしれないと。
■衛藤氏:これが、まだ中国で行われている。大変な人権問題がね、100年、50年昔ということではないんですから。現在行われているということですから、これは目をつぶるべきことではないですね。そういう状況について、世界ウイグル会議のラビア・カーディル議長からお話をうかがったと。
そういうことで、本当にこういうことが現在、わが国のとなりで行われているということについて大変なショックを受けましたね。これに対して、やはり、少なくとも日本はちゃんと調査団を出すとか、あるいはあきらかにするとか、するのが当たり前です。でないとやはり、日本はまともな近代国家ではないと私は思いますね。
■記者:党の執行部の方はお会いならなかったのはなぜ?
衛藤氏:今回、執行部は総選挙なので、当初からそう言う形のセットはしておりませんでしたから。
■記者:それは中国から今回、圧力がかかったからですか。中国は不満をしめしており、その手前、正面きって執行部が議長と会うことが難しかったのではないかという勘ぐりもあるのですが。
衛藤氏:今いわれたことは、本当であると思うのですが、それをちゃんと報道してくださいよ。逆に、そう言うことを報道しないということが、国民が知らないということになっているのですから。
中国の大使館を通じて、自民党本部にそういう圧力がかかったことは事実です。この会場ひとつ使うのも。私たちは自民党議員としてこの会場を使わせてもらうわけですけど、一時はこの会場を遠慮してくれと言う話もありましたけれど。それは党執行部の方も筋が通らないということで、蹴ったわけです。
■記者:今後、政府に対して調査団の派遣を求める考えか?
衛藤:私どもはそれをもとめるべきだと思います。党幹部にも要請したいし、政府にもそういう調査をしたいから国連に働きかけるとか、日本も中国にはっきり要求すべきですね。それを一部いまお話がありましたように、中国の方から問題がおきたら、責任は中国にないとかね。これ、起こしたのは中国の方ですからね。よくそんな言い方ができるなあということですね。もしおかしいなら、おかしいと言わない日本の方がおかしいですね。
■記者:訪問先に日本を選ばれた理由はきかれたか?
衛藤:それは国連に対しても、アメリカに対しても要求しているわけで。アメリカ自身は大使館を通じて調査にはいっているわけですから。当然、日本という国に対しても。日本はあるいみ一番いい位置にいる。中国とも適当な関係があるし、イスラムとの関係も悪くないし。ということで、そう言う意味では中国に対し適切なアドバイスができる国だと思いますね。
いいポジションにいる国だと私はそう思っています。むしろアメリカの方がイスラム世界とよくない関係がありますけどね。日本はそんなことありませんから。イスラム世界ともいいし、中国ともいいわけですし。そのことをちゃんと言おうとしたときに、へんな圧力をかけない方がいいと思いますね、逆の圧力は。
■記者:先生の方から執行部の方にあった方がいいというふうにアドバイスはいわれなかった。
衛藤:そこのとこ、僕はいっていないんですね。そんなにね。ただ衆議院関係は選挙の最中ですから難しいですよ、という話しはしました。
参院関係者しかいませんけどね。私どもが会いたいと設定したことなんで。ラビア・カーディルさんはあさってアメリカの公聴会に出てアメリカできちんと取りあげてもらおうということで、それで帰られますから、そこまでの日程はないんじゃないですかね。たぶんですね。
■記者:先生はどうして、カーディルさんとお会いになろうと?
衛藤:2年まえにですね、カーディルさんからお話を聞く機会があって、こられるというので、そりゃぜひ会いたい、ウルムチの話もおききしたいということで。
記者:お会いになるのは2度目。
衛藤:2年前に一度お会いして2度目ですね。
■記者:調査団というのはどういう形に?
衛藤:そこまでは踏み込んでませんけど、日本としての調査も必要だし、国連にもちゃんとすべきだ。そうすると、政府外務省もちゃんと働かなきゃいけないですね。
■しかしながら。平河記者の私がいうのもなんだが、日本の今の政治局面で、民主党本部ではなく自民党本部に協力要請にいらっしゃるとは奇特な。どうやら民主党側からは面会のオファーがなかっただけらしいのだけど。
民主党幹部もここで、ラビア議長に面会を申し込んで、そのあとに記者団に人権問題を熱く語れば、産経新聞のようなあからさまに自民党寄りの新聞でも、かなり好意的に取りあげると思うんだけどね。
■この日午後、日本記者クラブのホールで、日本メディアに対する講演会と質疑応答がありました。全部は聞いていないのだけど、質疑応答の部分は、時間のあるときにでもアップします。
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