3761 クリントン元米大統領が訪朝の途に 古沢襄

韓国の代表的通信社である聯合ニュースが、クリントン元米大統領が北朝鮮に向かっていると、ソウルからビッグ・ニュースを伝えてきた。通信社だから記事はすぐさま新聞社に追いかけられる。英ロイター通信社もソウルが追いかけている。スクープは束の間、通信社の宿命である。
ニュース・ソースは韓国の米朝関係に詳しい高官情報筋。クリントン元米大統領が訪朝する以上、水面下で米朝交渉がかなり煮詰まっていたと思われる。
詳細は分からない。北朝鮮に拘束されている米国人女性記者2人の釈放の問題に絞られているというが、クリントン元米大統領が平壌で金正日総書記と会談することにでもなれば、単なる表敬訪問にとどまらない。米朝二国間交渉の扉を開く可能性もある。
<[ソウル 4日 ロイター] 聯合ニュースは4日、北朝鮮に拘束されている米国人女性記者2人の釈放問題を協議するため、クリントン元米大統領が北朝鮮に向かっていると伝えた。
ワシントン発の聯合ニュース報道によると、クリントン氏はすでに北朝鮮に向け出発しているが、詳細は明らかにされていない。
女性記者2人は今年3月に中国との国境地帯で逮捕され、先月、12年の労働教化刑を言い渡されていた。(ロイター)>
<【ソウル4日聯合ニュース】クリントン元米大統領が、北朝鮮に抑留されている米国籍女性記者2人の解放を求める交渉のため、北朝鮮に向ったと伝えられた。
米国の前職大統領では、1990年代の朝鮮半島第1次核危機当時にカーター元大統領が訪朝し、米朝間の対立構図を交渉に転換させている。これと類似した脈絡からのクリントン元大統領の訪朝により、今後の米朝関係の推移が注目される。
特に在任当時、米朝共同声明を発表するなど北朝鮮との関係正常化に積極的だったクリントン元大統領だけに、金正日(キム・ジョンイル)総書記と会合する可能性も高いとされる。
米朝関係に詳しい高官情報筋は4日、「クリントン元大統領は平壌に向かっている。間もなく到着次第、女性記者らの解放に向け交渉に入る」と伝えた。ソウルの政府筋は「現在、関連事実について韓国側は確認できない状況」と話している。
クリントン元大統領は、平壌で北朝鮮側当局者らと交渉を行い、女性記者2人が早期に釈放された場合、ともに帰国するものと予想される。
米国と北朝鮮は最近、ニューヨークチャンネルを通じ、女性記者問題について集中的に協議したもようだ。北朝鮮側が、女性記者解放に向け、クリントン元大統領か閣僚以上の高官級現職官僚を平壌に派遣することを要求。
米国はこれに対し、政治懸案と女性記者問題は別途処理すべきとの立場を示しながらも、北朝鮮が要求する特使の派遣に積極的な立場を示したという。(聯合)>
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