党代表が”コロコロ変わる語録”のポッポさんだから、選挙前にマニフェストを変更・修正するのは、お手のものなのだろう。だが、バナナの叩き売りの様に、様子をみながら値段を変えるのは、いただけない。修正したマニフェストを民主党は「最終版」だと説明した。となると最初のマニフェストは「暫定版」ということなのか。
「暫定版」に多くのページをさき、解説までつけた新聞こそいい面の皮。その恨みもあって「最終版」に対する各紙の論評は厳しい。公示後にマニフェストは正式に発表される。まさか、またまたの変更・修正はないと思うのだが・・・。「決定版」マニフェストを出されたりすると、国民はどれが本当の政権公約なのか、迷ってしまう。
<衆院選>民主が政権公約を5項目修正…日米FTAなど
民主党は11日、衆院選マニフェスト(政権公約)のうち、米国との自由貿易協定(FTA)の表現など5項目の修正・補強を発表した。「国と地方の協議の場を設置」を正式に盛り込んだほか、成長戦略、不妊治療の支援拡充、年金税制の詳細説明――の3点を新たに追加した。7月27日の発表以来、全国知事会の一部や農業関係団体などからの申し入れに加え、全国10カ所で開催した説明会での意見を反映させた。これで同党のマニフェストは確定するが、重要政策での修正は与党の批判や世論の不安を招いており、選挙戦への影響も懸念される。
米国とのFTAは「締結する」から「交渉を促進」に表現を後退させた上、「国内農業・農村の振興などを損なうことを行わない」と追加。アジア・太平洋諸国との経済連携協定(EPA)とFTAについても「締結を積極的に推進」から「交渉を積極的に推進」に改めた。
また、子育て・教育で「出産の経済的負担を軽減する」の項目に「不妊治療には医療保険の適用を検討し、支援を拡充する」と新たに追加した。
マニフェストの土台となる各分野の政策の詳細を網羅的に掲載した「09年政策集」に記載したところ、問い合わせが多かったため、明記することにした。
子ども手当創設では、配偶者控除が廃止されるため「年金受給者の負担が増えるのでは」との指摘もあった。
このため、「年金税制について公的年金等控除拡大、老年者控除復活を実施するので、配偶者控除を廃止しても年金受給者の税負担は軽減される」と丁寧に表記することにした。
成長戦略の項を新設したのは、自民党や経済界から言及がないと批判を受けたことへの配慮。「子ども手当、高速道路無料化などの政策で家計の可処分所得を増やし、日本経済を内需主導型へ転換し、安定した経済成長を実現する」などとした。(毎日)>
<民主公約修正>にじむ「迎合路線」…説明会での指摘を反映
民主党が衆院選マニフェストで米国との自由貿易協定(FTA)を巡る表現など5項目を修正・補強した背景には、農業関連団体など関係団体からの猛抗議を受けた対応に加え、3日から11日まで行われた説明会での指摘を取り入れようとの姿勢があった。直嶋正行政調会長は記者会見で「政策が変わったわけではない。修正には当たらない」と釈明したが、度重なる軌道修正は票目当ての「迎合路線」の感が色濃くにじむ。
「さまざまな意見をいただきながら、多少の手直しをしていく。メディアは『ぶれた』と言うが、分かりやすくするための努力だ」
岡田克也幹事長は11日、水戸市で開いた最終回のマニフェスト説明会のあいさつで強調した。「有権者の意見を聞いて『進化』させるのは当初方針通り」(政調幹部)との論理で「ぶれた」印象を少しでも払しょくしたい思惑がうかがえた。
説明会では、修正で焦点となったFTAの記述をめぐる質問が続出。この日も会場からの最初の質問は「『農家の方たちがアメリカからの輸入規制を緩和されたら困ると(言っている)』と子どもから電話があった」というもの。批判が噴出したことを受け、菅直人代表代行が7日に「交渉を促進する」と表現を後退させると発表して以降も、不信感はぬぐい去れていない。
このほか、「国と地方の協議の場を設置」は大阪府の橋下徹知事ら、成長戦略は自民党や経済界から、それぞれ批判を受けての追加。不妊治療への保険適用も「子ども手当」創設の恩恵にあずかれない不妊治療者からの抗議が相次いだことが理由だが、有権者がこうした修正を前向きに評価するかは不透明だ。
逆に、この間の修正を巡り党内には波風が立った。直嶋氏は先月31日の時点では「加えるのは地域主権だけ」と言い切り、FTAの修正などは否定していた。小沢一郎代表代行もマニフェストの修正には不快感を示した。
しかし、外部の意見に押されて当初予定を大きく上回る5項目に及んだ修正。「選挙前に細かい政策分野で有権者とぶつかる必要はまったくない」(政調幹部)との判断だが、修正は一部の幹部の意向で行われ、党内議論は生煮えだ。直嶋氏は会見で「一度出して有権者から聞いて最終版になるという国もあるようだ」と理解を求めながらも、一方で「個人的に大きな変化は好ましくない」と不本意さもにじませた。(毎日)>
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3797 迎合修正の民主党マニフェスト 古沢襄

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