民主党が300議席を越すと、各メデイアが囃し立てた反動が出ている。民主党幹部が懸念した揺れ戻し現象が現れた。それでも民主党に優位な情勢を保っているが、終盤の二、三日の選挙情勢から目を離せなくなった。
単純な計算をしてみる。総選挙で争う議席数は480。このうち民主・自民以外の政党が集める議席数は50程度とみていい。残る430議席を民主党と自民党が食い合う。民主党が300議席超となれば、自民党は130議席以下に転落する。
一部のメデイアが伝えるように民主320議席超となれば、自民党が100議席を割ることになりかねない。この雪崩現象は、無党派層が民主党支持に走ったということでは説明できない。もともと無党派層は民主党など野党寄りだからである。
雪崩現象の本当の理由は、これまで自民党の支持層だった有権者が、民主党の支持に回ったことにある。離れた支持層を麻生首相ら自民党幹部は呼び戻すことが出来ないでいる。茨城県は伝統的な自民党王国であった。ここで二つの新しい現象が生まれている。
全国で唯一といっていい麻生支持勢力が強い自民党県連だったが、各選挙区で自民党候補が苦戦している。また衆院選と同時に県知事選が行われるが、自民党県連は二つに割れてしまった。これまでは県議会自民党のドンが圧倒的な力を持っていたが、その力にかげりが見えている。
離れた自民党の支持層が民主党の支持に移っている典型的な例だが、この傾向が全国的にみられる。
だが、ここにきて自民党が壊滅的な敗北を喫することに、危機感を持った自民党の支持層が戻ってくる現象が出ている。茨城県でも自民党が壊滅的な敗北を喫するとみていたが、今や互角の戦いになった。揺れ戻し現象が出ている。
現状では全国的にみて、自民党は170議席は確保できそうである。それでも300議席超から130議席以上を失うから大敗北には間違いない。これを逆算すると民主党は260議席程度。小沢一郎氏が読んでいた数字にピッタリ符合する。
「300議席なんてとんでもない。100選挙区で当落スレスレの戦いをしている」と鳩山代表らは口を揃えて楽観論を戒めているが、これは本音であろう。ようやく100選挙区の六割程度が勝てる見通しを持ったということであろう。この数字も260議席、単独過半数をようやく越えたところである。
自民党支持層が帰ってきても、自民党が200議席を確保するのは難しい。逆に終盤で麻生首相が飛んでもない失言をすれば、あきれた支持層は民主党にまた帰っていく。その危険性が残っている。
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