3874 明日は”日本革命”の日 古沢襄

韓国の東亜日報が「明日は”日本革命”の日」というセンセーショナルな見出しをつけた記事を書いている。日本人は民主党政権は左寄りになると感じてはいるが、革命政権だとは思っていない。正直にいえば素人集団の政権だから行き詰まるのも早いと見ている。
”日本革命”の日などとオドロオドロしい見出しをつけられては迷惑する。しかし韓国の日本に対する関心は、この程度のものかもしれない。東亜日報流にいえば十六年前にも「明日は”日本革命”の日」があった。
平成五年(1993)に非自民・非共産連立政権の細川内閣が誕生した。その中核となったのは自民党の改革派だった。旧田中派から離脱した羽田孜(新生党)、旧福田派から出た武村正義(新党さきがけ)、田中元首相に近かった細川護煕(日本新党)は、自民党の改革派といわれている。新内閣の表面には出なかったが、連立与党にあって、小沢一郎氏の辣腕に負うところが多い政権であった。
細川内閣は朝日新聞の世論調査で、内閣支持率は空前の71%に達した。
世論は、自民党長期政権の下での政官業の癒着構造、カネがかかり政権交代が行われない選挙システム、政治腐敗等に対する不満が高まっていて、現在の政治状況と似ている。
この内閣も政策実施のための財源問題で苦慮した。赤字国債を発行しないことが細川政権の公約の柱の一つだった。新生党の小沢代表幹事と大蔵省は財源を赤字国債に頼らず消費税の増税に求めることを模索している。
これに対して、社会党は消費税増税に絶対反対。この状況も現在と似ている。
細川首相は社会党の反対を押し切って、三年後に消費税を廃止して福祉目的の7%の国民福祉税を導入する構想を記者会見で述べたが、細川構想は批判を浴びて撤回せざるを得なかった。
加えて野党になった自民党は、細川首相の佐川急便グループからの借入金処理問題を、国会で執拗に追及した。自民党は予算審議に応じず細川政権は立ち往生状態に陥り、細川内閣は総辞職して九ヶ月の短命政権に終わっている。
細川内閣は革命的な政権とはいえない。保守の改革路線である。鳩山内閣が誕生しても、革命的な政権とは誰も言わない。細川内閣と同じ様な保守の改革路線を志向するのであろう。ただ、細川政権が誕生した時の様な熱気が伝わってこないのが気がかりである。
<日本の政局が政権交代の秒読み段階に入った。8月30日の総選挙の投票日が2日後に迫った28日、野党第一党の民主党が単独過半数を上回り、圧勝するという見通しが相次いでいる。大半の日本のメディアは、民主党が衆議院480議席の3分の2の320議席に迫るほど席巻すると予想した。
毎日新聞は28日付で、26日と27日の2日間に全国の有権者を対象に実施した世論調査の結果、衆議院比例代表投票で民主党に入れるという回答が44%で、自民党(21%)を2倍以上リードしたと報じた。民主党の政党支持率も歴代最高の39%を記録するなど、選挙日に近づくほど民主党の風が強くなっている。自民党の長期政権による腐敗と金権政治に対する嫌悪から、国民が自民党に背を向けたためだ。
自民党の支持率は20%にとどまった。これに先立ち、朝日新聞は、全国300の小選挙区を対象に調査した結果、民主党が少なくとも307議席、最大で330議席を獲得すると伝えている。自民党は、103議席内外にとどまると予想された。現在、両党の議席数は、自民党が300議席、民主党は115議席だ。
民主党が30日の総選挙で勝利すれば、日本の政治史で1955年以来54年ぶりに、事実上初めての政権交代が実現することになる。自民党は、55年の創党以降、一度も第一党を逃したことがない。自民党が過半数に及ばなかった93年の10ヵ月間、野党に退いたことはあるが、この時も第一党は維持した。
民主党が300議席以上を確保した場合、歴代の政党で最多だった86年総選挙時の自民党300議席を上回る歴史的大勝と記録されるだろう。民主党の議席が320議席を上回る場合、参議院で否決された法案を単独で再可決できる絶対多数議席を獲得することになる。
半世紀ぶりに政権交代が実現すれば、日本の対外政策は、一定程度変化するとみえる。民主党は、対等な日米関係を主張し、対米発言権を今よりも高めると明言し、アジアを重視する対外政策を展開する方針を明らかにしている。
次期首相が確実視される鳩山由紀夫代表は、首相の靖国神社参拝に反対するなど、歴史認識において自民党政権よりも柔軟であり、韓日関係は緊密になることが予想される。(東亜日報)>
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