鳩山新政権が「反米」にはならないが「米国離れ」の傾向を強めるという観測が米国内で広まっているが、それに拍車をかけたのは米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が掲載した鳩山論文であった。
この論文は鳩山代表が日本の月刊誌「Voice」9月号に寄稿した論文の英語訳抜粋。鳩山氏は「Voice」の全文を読んで貰えれば、誤解は解けると積極的に米側に働きかけをしてこなかった。そのうちに米側で鳩山氏に対する疑念・批判が広がった。
国際政治では「いずれは分かって貰える」という日本の流儀は通用しない。読売新聞は電話会談で、党内では「まずは儀礼的なあいさつだけでも意味がある。反米政権の誕生というような極端な印象にはならなかったはずだ」との期待が出ている・・・と報じているのだが。
<米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が掲載した民主党の鳩山代表の論文が米国など海外で波紋を広げている。
日本の次期首相として注目が高まる中、「米国離れ」とも受け取れる様々な主張が強調されているためだ。鳩山氏は3日未明、オバマ米大統領との電話会談で日米関係を重視する考えを伝え、米側の不信感払拭(ふっしょく)に努めた。
◆オバマ氏と電話で会談◆
ニューヨーク・タイムズ紙の電子版が掲載したのは、鳩山代表が日本の月刊誌「Voice」9月号に寄稿した論文の英訳版の抜粋だ。
省略が多い中、特に、〈1〉日本は米国主導のグローバリズムという名の市場原理主義に翻弄され続けてきた〈2〉米国の国力が衰える情勢でのアジア統合の重要性――の2点が重点的に引用され、米国に対する懐疑的な評価が強調されている。
鳩山氏はオバマ大統領との電話会談で、日米関係を重視していることを丁寧に説明した。「論文の印象を打ち消し、鳩山政権が誕生しても米国にマイナスになることはないとアピールしなければならない」(鳩山氏周辺)という事情もあった。
初めての電話会談で、大統領が民主党の衆院選大勝を祝ったのに対し、鳩山氏は「大統領が勇気を与えてくれた」と応じて友好ムードの演出に努めた。
民主党は、インド洋での海上自衛隊の給油活動を来年1月以降は継続しない方針だ。鳩山氏にとって、オバマ大統領と信頼関係を構築し、日米関係を損なわないように給油活動を終えることは「政権の生命線」(幹部)となる。
8月11日に海外メディア向けに記者会見した際は、米メディアの質問に「一番大事なことは、いかにしてオバマ大統領との信頼関係を構築するかということだ。その中で、給油問題などにも結論を出していきたい」と答えた。
大統領との電話会談についても、党内では「まずは儀礼的なあいさつだけでも意味がある。反米政権の誕生というような極端な印象にはならなかったはずだ」との期待が出ている。(読売)>
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3901 反米政権の誕生?を払拭 古沢襄

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