3972 グループ均衡が鮮明な鳩山人事 古沢襄

鳩山新内閣の骨格人事が内定した。あらゆる面でこれまでにない人事のやり方になっている。ひとつには首相指名選挙の前に閣僚候補を内示した特徴がある。これは副大臣の人選を新閣僚に委ねる民主党の方針によって前日に内示を行ったことによる。内示は閣僚ポストも含めて行われたが、事前に漏れることを避けるために「ポストは口外しないでほしい」と箝口令をしいた、
その半面、初の組閣となったため、鳩山氏は党内のグループ有力者を偏りなく起用する「グループ均衡」人事を行った。自民党政権だったら「派閥均衡人事」と評されたであろう。民主党の場合は派閥とはいわずグループ、他のグループと重複する議員もいることから、派閥とは称しない。
最大グループになった小沢幹事長のグループからの偏った登用はみられない。党内融和を優先したことと、小沢グループは新人が多いことが原因となった。同時に鳩山グループにも偏っていない。
この結果、民間人の登用は見送られ、女性閣僚の登用も最小限にとどまった。「鳩山カラー」が薄い新内閣の顔ぶれといえよう。
<鳩山政権で入閣が内定した顔触れを見ると、各グループの有力者を偏りなく起用する「グループ均衡」の色彩が強い。民主党の鳩山由紀夫代表は政権の船出に当たり、「鳩山カラー」を打ち出すよりも、党内融和を優先したようだ。
小沢鋭仁氏は鳩山氏が前回代表を務めた際、代表室長として補佐。官房長官への就任が決まっている平野博文役員室長と共に長年支えてきた側近の一人だ。党内では「小沢氏起用は自然」(ベテラン議員)とみられている。
前原誠司、仙谷由人両氏は、小沢一郎幹事長と距離を置く「中堅・若手」のリーダー的存在。前原氏のグループのほとんどは5月の代表選で岡田克也前幹事長を推した。
赤松広隆氏は旧社会党出身。先の衆院選を陣頭指揮した小沢幹事長の下で選対委員長として実務をこなした。中井洽氏は旧民社党の出身ながら旧新進党に参加して以降、小沢幹事長と政治行動を共にしてきたベテラン。逆に、川端達夫氏も旧民社党の出身だが、5月の代表選では岡田氏を支持した。
当選回数が重視される参院からは旧民社党の直嶋正行氏と旧社会党の千葉景子氏がそれぞれ入閣する。直嶋氏は政調会長を務め、当選4回の千葉氏は参院の入閣候補の筆頭と目されていた。
連立を組む社民党からは福島瑞穂氏、国民新党からは亀井静香氏の両党首が入閣する。鳩山氏は、郵政民営化見直しを掲げる国民新党に配慮し、亀井氏を郵政・金融担当に充てる。 
鳩山氏が組閣前日に閣僚候補に内示したのは、副大臣の人選を委ねるため。ただ、内定者の一人によると、鳩山氏は「ポストは口外しないでほしい」と口止めした。自身の人事権をアピールする狙いからとみられる。(時事)>
<民主党の鳩山由紀夫代表(62)は15日、新政権の全閣僚17人の顔触れを内定した。いったん防衛相への起用が固まった国民新党の亀井静香代表(72)は郵政問題・金融担当相に充て、前原誠司副代表(47)を国土交通相、川端達夫副代表(64)を文部科学相、千葉景子元副代表(61)を法相に起用。藤井裕久最高顧問(77)は財務相、北沢俊美副代表(71)は防衛相に就任する方向となった。
赤松広隆選対委員長(61)、直嶋正行政調会長(63)、中井洽元法相(67)、仙谷由人元政調会長(63)、小沢鋭仁衆院議員(55)、原口一博衆院議員(50)、長妻昭政調会長代理(49)の入閣も内定。赤松氏は農相、直嶋氏は経済産業相、中井氏は国家公安委員長、仙谷氏は厚生労働相、原口氏は総務相、小沢鋭仁氏は環境相、長妻氏は行政刷新会議の担当相に起用される見通しだ。
鳩山氏は入閣候補者に順次内示した。
民主党は15日夕、都内のホテルで衆院選後初の両院議員総会を開き、小沢一郎代表代行(67)の幹事長就任を正式決定した。党人事では山岡賢次国対委員長(66)の留任が決まった。松野頼久衆院議員の官房副長官起用も内定した。
鳩山氏は16日召集の特別国会で第93代、60人目の首相に選出され、同日中に組閣を終え社民、国民新両党と3党連立の鳩山政権を発足させる。
鳩山氏側は亀井氏に対し、水面下で防衛相就任を打診していたが、15日になって方針転換し、郵政問題・金融担当相への就任を要請。亀井氏が受け入れると回答した。
社民党の福島瑞穂党首(53)は消費者行政・少子化・食品安全・男女共同参画担当相への就任が内定。鳩山氏は民間人の入閣はないと表明した。
鳩山氏は両院議員総会で「衆院選の勝利はスタートラインだ。これから本気で、政治を国民の手に取り戻していく」と表明。小沢氏は「幹事長の職責をまっとうするよう全力を尽くす決意だ」と強調した。(共同)>
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