3991 ようやく3党合意、矛盾だらけの合意内容 丸山公紀

9日、新政権設立に向けて政権の枠組みに異例の長さの協議となったが、民主、社民、国民新党の間で政策合意が成立した。それによれば、社民の福島党首が普天間移転問題と日米地位協定見直しについて最後まで譲歩せずに、結局、民主の鳩山代表が折れることとなった。
安全保障問題については、本来であれば連立の真っ先に協議、合意をしなければならない最重要課題であったにもかかわらず先送りし、他の課題から合意をしていったという段取りにも問題が孕むが、民主が現実路線をとろうとする矢先に、社民の「平和」政策に引っ張られる形となった。
普天間飛行場の代替施設として辺野古のキャンプシュワブ沖にヘリポートをつくることが米国との間で既に合意をみていたにもかかわらず、それを見直すこと、日米地位協定についても全て、わが国が不利となっているわけではないのにこれを見直すということは、明らかに歴代政権とは異なる方針となり、外交、安全保障の一環性を阻害することとなる。
既に米国は報道官を通じてインド洋での給油活動継続の要望が出ているのであるが、一体、どう対応しようとしているのか、皆目、全体像が見えてこない。
10月の日米首脳会談が注目されるが、オバマがこれらの問題について従来と同様の姿勢を示した場合、やはり日米関係はギクシャクすることが予想される。
また国民新党の郵政民営化見直しについても、臨時国会での見直しに関する基本法案を成立する意向であるというが、これとて本質的には正しいかどうかわからないが、今までの政権の方向性とは全く別のものとなる。
政権維持のためにお互いに言いたいことを言えないという関係は、つい最近までの自公政権の裏返しである。このことが3党の主張をお互いに歪めてしまうことは確実であり、思いきった新政策を推進できるのか、暗雲が立ち込めている。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト

コメント

タイトルとURLをコピーしました