4002 金正日総書記「多国間・2国間核交渉に応じる」 古沢襄

北朝鮮情勢は確実に動いている。金正日総書記は訪朝した中国の戴秉国国務委員(外交担当)と会談したが、韓国の通信社・聯合ニュースがソウルと北京取材で報じるところによると、金正日総書記は核問題の解決に向け多国間または2国間会談に加わる意向があると明らかにしたという。中国の新華通信も同じ報道をしている。
さらに朝鮮日報は韓国の李明博大統領の実兄である李相得議員が、先月末、戴秉国国務委員と北京で会っていた事実を報じた。報道は李議員が兄の李明博大統領から預かった金正日総書記宛の親書を戴秉国国務委員に託した可能性を伝えている。戴秉国国務委員は中国の胡主席の親書を金総書記に手渡したといわれる。
これらはバラバラの動きだろうか。それはあり得ない。中国、韓国、北朝鮮それに米国も噛んでいるとみるのが常識である。事の成否は分からないが、北朝鮮情勢は確実に動いている。残念ながら政権交代騒ぎに巻き込まれていた日本は蚊帳の外。北朝鮮が六カ国協議に戻っても、日本だけは蚊帳の外に置かれる公算がある。
<【ソウル・北京18日聯合ニュース】北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は18日、北朝鮮は核問題の解決に向け多国間または2国間会談に加わる意向があると明らかにした。
金総書記が胡錦濤・中国国家主席の特使として訪朝している戴秉国国務委員(外交担当)と面会した席でこのように発言したと、中国国営の新華通信が平壌発で報じた。戴国務委員はこの席で、胡主席の親書を金総書記に手渡した。
それによると、金総書記は、北朝鮮は非核化の目標を堅持し続け、朝鮮半島の平和と安定守護に努力するとしながら、「この問題を2国間または多国間の対話で解決することを希望する」と述べたという。2国間対話とは、近ごろ進められている米朝間の対話を意味するものとみられる。
ただ、金総書記が「6カ国協議」とせずに「多国間対話」としたことから、北朝鮮が米朝対話後に実際に6カ国協議に復帰するかどうかが注目される。政府消息筋はこれと関連し、前後の脈絡を正確に把握すべきだとしながら、北朝鮮が出した条件が必ずあるだろうと話した。
金総書記はまた、戴国務委員に対し、中朝の伝統的な友好関係は先祖から受け継いだ貴重な伝統だとし、「国交樹立60周年を迎え、両国高位層の交流や各分野の協力を通じ、友好関係を一層発展させていくことを希望する」と伝えた。
一方、胡主席は親書で、朝鮮半島の非核化を実現し、北東アジアの平和と安定、発展を増進することは中国の一貫した目標だとし、中国はこの目標を達成するために北朝鮮とともにあらゆる努力を傾ける準備があると表明した。北朝鮮に対し、核兵器開発をやめ一日も早く6カ国協議に復帰し、朝鮮半島非核化の約束を履行するよう遠まわしに促したものと解釈される。(聯合)
<李明博(イ・ミョンバク)大統領の実兄である李相得(イ・サンドゥク)議員が、中国の胡錦濤国家主席の特使の資格で訪朝した戴秉国・国務委員(外交担当)と先月末に北京で会っていた事実が明らかになり、北朝鮮の核問題解決と関連した李議員の役割に関心が集まっている。
北京の外交筋は18日、「北京で先月25日に行われた第9回韓中指導者フォーラムに参加していた李議員が、戴国務委員と会った。李議員が金正日(キム・ジョンイル)総書記との会談を控えていた戴国務委員に対し、李大統領の親書伝達を依頼した可能性がある」と語った。
これに対し、韓国政府のある関係者は「李議員が戴国務委員を会ったのは事実だが、李大統領の親書やメッセージを伝達したというのは事実ではない」と述べた。ただし、同関係者は「李議員が戴国務委員に対し、李大統領による8・15祝辞の趣旨を説明して、“北朝鮮が核を放棄すれば積極的に助ける”という意志を伝えたと聞いている」と話した。
李議員本人も同日、「親書伝達説」について「事実ではない」と否認した。李議員は「韓中指導者フォーラムに参加中、戴国務委員や王家瑞・共産党対外連絡部長と顔を合わせたのは事実だが、公の席ではなかった。彼らとは普段から親交があり、中国訪問の際にはよく会っている間柄だ」と述べた。李議員は「韓中両国からそれぞれ4、5人ずつ参加した公の場で、北朝鮮へのメッセージや親書を手渡すというのは、常識的にあり得ないことだ」と語った。(朝鮮日報)>
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