4081 諸見里しのぶと横峯さくらの角逐 古沢襄

日本の女子プロゴルファーは確実に世界の水準に達しつつある。日本女子オープン最終日は、韓国の宋ボベがプレーオフの末に横峯さくらを下して優勝した。韓国の女子プロの強さは一歩先に世界の水準に達しているが、日本の女子プロも同じレベルに達したと言っていい。
米国と較べて日本は三日間のプレーが多い。四日間のプレーが普通の米国ツアーでは、日本の女子プロが最終日に崩れると言われてきた。体力差というよりは、三日間と四日間のプレーに慣れていない差だったのではないか。四日間の日本女子オープンは、その意味で注目された。
宮里藍ちゃんは米国慣れしているから、四日間の最終日に猛チャージをかけた。惜しくも三位で終わったが、藍ちゃんのプレーを見習う必要がある。まして4アンダーから最終日に猛チャージをかけた横峯さくらは7アンダーで宋ボベの通算11アンダーに並んでプレーオフに持ち込んだ。
賞金女王の諸見里しのぶも四位に食い込んでいる。これで賞金女王を争う諸見里しのぶと横峯さくらの角逐が面白くなった。勢いからすれば、横峯さくらに分がある気がする。
<日本女子オープン最終日(4日、千葉・我孫子GC=6559ヤード、パー72)通算11アンダーの277で並んだ宋ボベ(23)が横峯さくら(23)をプレーオフの末に下して、公式戦初勝利。08年3月の「ダイキンオーキッド」以来の通算2勝目を挙げ、賞金2800万円を獲得した。
1番で幸先よくイーグルを奪った横峯は3番をダブルボギーとするが、そこから14番まで6バーディー。最終18番をボギーとしてトップだった宋に並んでホールアウト。13番までに4バーディーを奪った宋も残り5ホールで全てパーセーブし、プレーオフに持ち込まれた。プレーオフ1ホール目でともに2オンに成功したが、横峯がバーディーパットを外し、宋がこれを沈めて決着した。
5バーディー(1ボギー)を奪って68で回った、05年覇者の宮里藍(24)が3打差の3位。今季6勝で賞金ランクトップの諸見里しのぶ(23)はさらに1打差の4位で、04年覇者の不動裕理(32)が5位。
メジャー最年少優勝を目指した宮里美香(19)はバーディーなしの6ボギーの78と大崩れし、史上初の「グランドスラム」を狙った福嶋晃子(36)、古閑美保(27)、佐伯三貴(25)と並んで通算5アンダーの6位に終わった。(サンスポ)>
<会見場に現れた横峯は鼻をすすっていた。実は会見場に来る途中で、アマ時代にお世話になったJGAナショナルチームの女性関係者とバッタリ対面。その瞬間に、自らの未熟さで勝ちきれなかった悔しさがこみ上げてきたんだろう。号泣したというのだ。
3年ぶりの公式戦タイトルのかかったプレーオフ。18番での1ホール目で、3メートルのバーディーパットが残った。横峯は「スライス」とラインを読んだが、全幅の信頼を置く外国人キャディーは「フック」と見た。運命を決める1打。しかし、横峯はこの食い違いを引きずり、平均パット数2位の正確なストロークができずにパーとし、バーディーを奪った同年代の宋に屈した。「(ラインが)しっかり決まっていれば、しっかり打てた。悔いのないように打てたら、(外しても)仕方ないと思えたが…。自分がまだ未熟なところ」と自らを責めた。
首位と7打差の5位でスタートしながら、これまで積み上げてきた安定感あるショットとパットで逆転できる爆発力は、今のプロでは図抜けた存在だ。だから「ハーフを終わった時点で、もしかしたらチャンスあるかも」と言えるのだ。
昨年もプレーオフで敗れて涙したことがある。その時から「成長は見えるので、成長したと思う」と話す。今回の“涙”も「今は考えていない」と宣言を撤回した賞金女王への糧になるに違いない。(産経)>この悔しさが明日のエネルギーになるに違いない。
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