中国は年間500億ドル相当の知的財産をアメリカから盗んでいる。議会諮問委員会が報告書で指摘。サイバー・スパイの能力を拡大中。
「明らかに中国政府に支援されたサイバー・スパイどもがアメリカの企業から知的財産を盗み出し、その被害は年間400-500億ドルに達する」とする報告を米議会の諮問委員会がまとめた。
ウォールストリート・ジャーナル(10月22日付け)に依れば、「議会諮問委員会は2000年に設立され、防衛関係OBなど専門家で組織されており、調査には防衛企業大手ノースロップ・グラマン社などが協力した」。
中国人のサイバースパイ・チームは米国の大学のコンピュータを利用して、アメリカ企業、軍事産業リストから顧客リスト、さらにはラボラトリーや大学研究室、シンクタンクのデータのみならず、インターネットのリンクにもアクセスし、片っ端から貴重な情報、データ・ファイルを盗み出していると報告している。
「とりわけ被害が目立つのが米国を代表する防衛産業である」と専門家のラリー・ウォルツが指摘している(同ウォールストリートジャーナル)。
在米中国大使館スポークスマンは、「その報告は虚偽であり、まるで冷戦時代のメンタリティで書かれている」と容疑を否定した。
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(読者の声1)貴誌2748号の貴見。「おそらく中国は日本の主導権を排斥し、独自のアイディアを抱いているに違いない、と踏んだ。なにしろ2020年に中国海軍の空母二隻体制となれば、東シナ海と南シナ海は中国が支配し、いずれ半世紀もしないうちにハワイで東西を米中が分かち合う、と中国は本気で考えているのだから。アジアの海は中国の海、そしてアジアは中国通貨の共同体へ。衣の下の鎧が見えた。
ASEANを中国が主導し、域内の経済ヘゲモニーは中国が握り、つぎに日本、韓国も協力させようではないか。アジアは「中華共栄圏」としますよ、という宣言が、しずかに、なされているのである」(引用止め)。
先生ご指摘のとおり、中国は「中華共栄圏」なるものを形成しようという方向に着実に歩を進めていると思います。
2050年あたりまでのスパンでアジア情勢を見通し、日本は日本の行くべき道を想定すべきと思いますが、2050年には中国は経済規模(GDP)でも米国をも追い抜き、軍事力でもアジア地域で圧倒的No.1の存在であろうと予測すれば、日本は経済・軍事の両面で中国にまったく対抗できなくなるのでしょう。
そのような「悲観的な未来予測」のもとに、日本はこれからの行く道を決めてゆかなばならないと小生は考えるのですが、このような、謂わば敗北主義的な考えは日本人としては採るべきでないと、先生はお考えでしょうか?
孫たちの将来を考えるとき、私にはどうしても「輝かしい日本の未来像」は描くことが出来ません。ご高見をお聞かせ下さい。 (KI生、尼崎市)
(宮崎正弘のコメント)中国が軍事大国になることを拱手傍観するだけが日本のさだめかと言えば、能動的行動も必要ということになるでしょう。
孫子ていどの戦略家ならどうするか。
中国の目標実現を遅延させ、あるいは達成困難とさせる。中国の軍事能力をそぎ、あるいは中国を分裂させる。中国の軍事力を疲弊させる。
ロシアと中国の偽りの平和、インドとはチベット国境でまた戦雲が漂い、上海シックスのメンバーの分断をはかるなど、策略はいくらもあります。いま中国が日本にやっていることを反面教師にすればいいのです。
中国は日米離間をはかり、大学に中国のスパイを養成し、支援団体に代理発言をさせ、日本のマスコミ人を自由に操り、政治家多数を籠絡した。こんどの小鳩政権の日米離間は北京が手をたたいて喜んでいるでしょう。
しかし岡田が正真正銘の馬鹿に近いこと、外務大臣として、史上最悪と言われた、あの田中真紀子より外交センスにかけることが日々あきらかになっています。
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4207 岡田外相のセンスは真紀子外相より下 宮崎正弘

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