岡田外相の「お言葉」発言が海の向こうの韓国でも話題となっている。朝鮮日報は「岡田発言に批判続出」と伝えている。天皇陛下の訪韓を期待する韓国としては岡田発言が格好の話題となった形だ。
儀礼的な「お言葉」ではなく、もっと自由なものにしても良いのではないか、という趣旨の発言と捉えている。韓国のインターネットの掲示板などでは、「あえて天皇陛下の逆鱗に触れるような発言をするとは遺憾だ」などといった批判的な書き込みが相次ぐ一方、「この程度の意見も言えないのか」というコメントも書き込まれているという。
<日本で岡田克也外相の発言が物議を醸す事態となった。
岡田外相は、23日の閣議後に行われた閣僚懇談会の席上、天皇が国会の開会式で述べる「お言葉」(開会に当たってのあいさつ)について、「過去の例を見ると、自分の記憶では、大きな災害があった後の1回を除いて、すべて同じごあいさつを頂いている。陛下の思いが少しは入ったお言葉を頂くような工夫ができないものかと思う」と述べた。
天皇は国会が招集されるたび、開会式で「お言葉」を述べる。憲法上、政治的な中立を守らなければならない天皇の「お言葉」の内容は、閣議で承認を得ることになっている。岡田外相はこの日の閣議で、今月26日に召集される臨時国会の開会式で天皇が述べる「お言葉」の内容を承認したことを受け、このような意見を述べた。
天皇の「お言葉」の内容は、次の3行の文章と決まっている。「本日、第XXX回国会の開会式に臨み、全国民を代表する皆さんと一堂に会することは、わたしの深く喜びとするところであります。国会が、永年にわたり、国民生活の安定と向上、世界の平和と繁栄のため、たゆみない努力を続けていることを、うれしく思います。ここに、国会が、当面する内外の諸問題に対処するに当たり、国権の最高機関として、その使命を十分に果たし、国民の信託に応えることを切に希望します」
天皇は今年1月5日の通常国会の開会式でも、この3行の「お言葉」を述べた。また、8月末の衆議院議員総選挙の後、9月18日に招集された特別国会では、中間の行を省略した2行の「お言葉」を述べた。今月26日の臨時国会の開会式でも、これと同じ2行の「お言葉」を述べることになっている。
この内容は数十年間、まったく変わっていない。なお、天皇は今年に入り、2回の国会の開会式を含め、8回の公式行事でこの「お言葉」を述べている。国会の開会式以外の行事では、少し長い「お言葉」を述べているが、儀礼的という点では似たようなものだ。岡田外相はこのように、常に同じ内容で儀礼的な「お言葉」ではなく、もっと自由なものにしても良いのではないか、という趣旨の発言をしたというわけだ。
岡田外相のこうした発言は、すぐさま物議を醸した。メディアはこの発言をトップニュースとして取り上げ、政界などからの批判も相次いだ。自民党の大島理森幹事長は「政府が陛下のお言葉にものを申し上げるのは、憲法上も、政治的にも行き過ぎた発言だ。民主党のおごりが感じられる」と語った。
宮内庁の羽毛田信吾長官も、「国会の開会式での“お言葉”は、ほかの行事でのあいさつとは異なり、閣議で決まることであり、宮内庁はコメントする立場にない」としながらも、「毎回、心をこめてお言葉を述べられている」と語った。これは婉曲(えんきょく)しながらも、不快感を示したものだ。また、参議院の西岡武夫議院運営委員長(民主党)も、「天皇陛下の政治的中立を考えれば、われわれが政治的にあれこれ言うことは、あってはならないことだ。極めて不適切な発言だ」と批判した。
インターネットの掲示板などでは、「あえて天皇陛下の逆鱗に触れるような発言をするとは遺憾だ」などといった批判的な書き込みが相次ぐ一方、「この程度の意見も言えないのか」というコメントも書き込まれている。(朝鮮日報)>
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4209 岡田外相の「お言葉」発言が韓国でも話題 古沢襄

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