10月26日は韓国にとって安重根義挙100周年に当たる。朝鮮日報は社説で安重根が100年前に唱え、未完の原稿に終わった「東洋平和論」を掲げて再評価した。死刑判決を受け残り少ない最後の日々を、韓国、中国、日本が弱肉強食を越え、共同繁栄への道を追求する著述だったという。
この中で安重根は19世紀以来の西欧帝国主義の侵略に立ち向かい、東アジアを守るには、韓中日3国が力を合わせるべきだと力説した。そして旅順に韓中日3国が参加する東洋平和会議を設置、3国共同の銀行を創設し、共用の貨幣を発行する。さらに3国の若者で共同の軍隊を編成し、各国の言語を教えること、韓国と清は西洋文物の受容で先行している日本の指導下で商工業の発展を試みることを主張した。
朝鮮日報は、この構想を「東アジア共同体論」としている。
鳩山首相が唱えている「東アジア共同体論」は、100年前に安重根が「東洋平和論」で唱えているという解釈である。鳩山首相の専売特許ではないという韓国の意思表示といえる。
<10月26日は安重根(アン・ジュングン)が中国ハルビンで、朝鮮侵略の元凶・伊藤博文を狙撃してからちょうど100年目に当たる日だ。1909年10月26日午前9時、安重根がハルビン駅で放った6発の銃弾は、1905年の乙巳勒約(日本では「第2次日韓協約」と呼ぶ)、1907年の丁未7条約と軍隊解散を経て、韓国が亡国の瀬戸際に追い詰められていたまさにその時、韓民族は不滅だということを全世界に知らしめた。安重根の義挙はその後、3・1独立運動や大韓民国臨時政府、新幹会、光州学生運動、尹奉吉(ユン・ボンギル)・李奉昌(イ・ボンチャン)の義挙、海外の独立軍へとつながり、漆黒の闇に包まれた日帝統治下の韓国を明るく照らし、民族運動に希望と勇気をもたらした。
安重根は、世界各国が帝国主義を追求し模倣する中で、泥沼の戦いを余儀なくされていた100年前、民族を越え、人類共同体の平和を念頭に置いた先覚者でもあった。安重根は義挙の後、法廷で「伊藤の罪」15カ条を列挙し、その中で「東洋の平和を破壊した罪」を挙げた。伊藤の罪は、乙巳勒約により韓国の外交権を奪い、丁未7条約により内政をじゅうりんしたことにとどまらず、力で隣国・朝鮮を強制併合しようとしたことで、東洋の平和を脅かしたと主張した。安重根は、死刑判決を受け残り少ない最後の日々を、韓国、中国、日本が弱肉強食を越え、共同繁栄への道を追求する著述作業に費やした。
安重根は、未完成の原稿「東洋平和論」で、「おおよそ、合わされば成功し散らばれば敗亡するというのは万古の道理だ」と前置きした上で、19世紀以来の西欧帝国主義の侵略に立ち向かい、東アジアを守るには、韓中日3国が力を合わせるべきだと力説した。安重根は、旅順に韓中日3国が参加する東洋平和会議を設置すること、3国共同の銀行を創設し、共用の貨幣を発行すること、3国の若者で共同の軍隊を編成し、各国の言語を教えること、韓国と清は西洋文物の受容で先行している日本の指導下で商工業の発展を試みること-など、具体的な案を提示した。
だが、安重根の構想の中で芽生えた「東アジア共同体論」は、100年の月日が流れた今なお実現できていない。韓中日共同歴史教科書の編さん、自由貿易協定(FTA)締結などが今ようやく第一歩を踏み出したことを考えると、安重根の歴史を見通す視野の広さと時代を先取りする先見性には感嘆するほかない。安重根が100年前に打ち出した「東洋平和論」の精神と提案を土台として、東アジアに繁栄と平和の共同体を形成できるかどうかは、韓中日3国が過去100年の痛恨の歴史から得た教訓と、それらを実践する意志にかかっている。
50年前、フランスの外務大臣ロベール・シューマンが提示した「ヨーロッパ合衆国」構想は、欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)、欧州経済共同体(EEC)を経て、欧州連合(EU)として実を結んだ。伊藤博文100周忌に当たる今年、日本政府は記念メダルを作り、伊藤の故郷・山口県を担当地域に含む日本郵政グループの郵便局株式会社中国支社では、オリジナル切手を発行した。
100年前に安重根が記した「東洋平和論」が、歴史観の相克という現実の壁にぶつかり、今もなお先覚者の思想だけにとどまっている東アジアの今日を残念に思えてならない。(朝鮮日報)>
杜父魚ブログの全記事・索引リスト
コメント
★ 韓国という国
韓国は、なぜテロリストを礼賛するのか?
それは、韓国が「テロ支援国家」という
証明です。
★ もう少し、歴史を勉強してください。
韓国の歴史捏造は世界の常識です!
鳩山氏や安重根の提唱する「東アジア共同体論」は、おとぎ話に過ぎません。
政治統合を行わず、通貨統合を先に行うことは、混乱を招くだけです。通貨価値は、その国の経済力に応じて、決まるべきものであり、それを無視して、統一通貨を作っても、うまくいきません。そのことは、ギリシャ危機を発端にして、欧州の統一通貨「ユーロ」が、現在崩壊の危機に晒されているのを見れば分かります。
では、東アジアで、政治統合が可能かと考えれば、同じ民主主義国家の集まりである欧州でも、まだ政治統合など出来ていません。ましてや、共産主義国家と民主主義国家、さらには、金王朝まで存在する東アジア圏で、どうして政治統合など、出来ましょうか。
東アジア共同体論は、おとぎ話です。