4251 やはり小沢支配の鳩山政権 古沢襄

党は小沢、内閣は鳩山という”小鳩政権”の実態は、小沢幹事長の主導による政権という実像がみえてきた。政権発足後、鳩山首相は肝心の外交・安全保障と財政運営で指導力に欠けている。国民受けのする美辞麗句を連ねるが、実行力に乏しい。
このままでは鳩山内閣の高支持率も危うくなる。鳩山首相の施政方針演説を支えたのは民主党議員が立ち上がって一斉に拍手を送る”スタンデイング・オベーション”だったが、これも山岡国対委員長ら党国対の苦心の演出に他ならない。
鳴りもの入りでスタートした内閣の行政刷新会議も一年生議員を多数加える失態を演じた。「事業仕分け」をする委員の数を増やしても95兆円にのぼる各省庁の概算要求を圧縮できるのか極めて怪しいものがある。
小沢幹事長は一年生議員の起用に異を唱え、三期以上の中堅議員から選ぶよう指示した。行政刷新会議のメンバーも小沢主導で人選が進められる。鳩山内閣の高支持率がある中に民主党らしい政策を断行しないことには、国民の期待もいずれ凋んでくる。
そうなっては来年夏の参院選で民主党が60議席以上を獲得し、単独過半数を占める大目標が危うくなる。小沢主導の政権という批判を浴びても、鳩山政権のテコ入れが必要になったという政治判断を小沢幹事長がしたのであろう。
藤井財務相の財政政策にも小沢幹事長は違和感を持っている。皮肉な言葉のはしはしに、それが現れている。原理主義者で硬直した岡田外相には、もともと小沢幹事長は評価していない。平野官房長官の党側に対する連絡不十分にも不満がある。党は小沢、内閣は鳩山という棲み分けは、それぞれが勝手なことをやることではない。党と内閣が一体となって、政権交代の実をあげることである。
だが民主党はもともと寄せ集めの集団である。小沢幹事長が党の主導権を発揮すれば、非小沢、反小沢のグループが反旗をひるがえす可能性を内在している。参院選で大勝すれば輿石参院議員会長ら小沢側近の力が不動のものになる。非小沢、反小沢のグループは、鳩山首相の下で一定の勢力を温存する方向にある。
十六年ぶりに政権を獲得した民主党だから、党内対立で政権を失う愚は避けるであろう。とはいえ一皮めくれば党内で盤石の様相を示している小沢支配に対する不平、不満が渦巻いてきたことは否めない。
<民主党は28日、行政刷新会議の下で「事業仕分け」を行う国会議員メンバーについて、党主導で人選する方針を決めた。小沢一郎幹事長が同日、党幹部に対し、3期以上の中堅議員から選ぶよう指示。仕分け作業は政府主導による人選に党側が反発し、中断しているが、党側の人選により、近く正常化する見通しだ。
小沢氏は28日、国会内で党幹部と会い、仕分けチームの人選について「分厚い資料(予算書)を見ないといけない」と述べ、中堅議員の登用を念頭に人選に入るよう指示した。衆院からはいずれも当選3回の寺田学、菊田真紀子、津川祥吾、田嶋要の4議員を起用する方向で調整している。(毎日)>
杜父魚ブログの全記事・索引リスト

コメント

タイトルとURLをコピーしました