沖縄県の仲井真知事らが28日、首相官邸で平野官房長官に早期決着を求めたが「最終判断は首相がする」と繰り返すにとどまった。さらに岡田外相は米軍嘉手納基地に統合する案で米側と再折衝する意向だが、地元の嘉手納町議会が同日、岡田案の撤回を求める意見書を全会一致で可決。
米側との折衝前に地元が反対姿勢を明確にした。だが岡田外相には地元を説得する動きがない。米側にも嘉手納統合案に応ずる気配がないことから、岡田外相の一人相撲となるなど、政府内の混迷が深まっている。
「最終判断は私がする」という鳩山首相にも事態を打開する具体案があるわけでない。先送りで模様眺めの姿勢がみえることから、仲井真知事ら地元側は政府側に不信感をつのらせている。
<米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)のキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)への移設問題で、沖縄県の仲井真弘多知事らが28日、首相官邸に平野博文官房長官を訪問、計画見直しの是非を巡って鳩山由紀夫首相と関係閣僚の発言が分かれる政府側に、早期決着を迫った。しかし平野氏は「最終判断は首相がする」と繰り返すにとどまり、現計画以外の選択肢を模索する政府内の混迷が深まっている。
「マニフェストなどいろいろ出ているが、沖縄県民にとってはどういう方向に行くのか見えない。政府の方針を変えるのであればきちっと早めに変えてください」。仲井真知事は28日夕、首相官邸で会談した平野氏に迫った。
会談は、沖縄県と県内の基地関係市町村で作る「沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会」が基地関連の問題解決を申し入れるためのもので、普天間飛行場の地元・宜野湾市の伊波洋一市長ら8人が同席した。
仲井真知事は26日、「政府が現実的かつ具体的な形で県外移設案を提示されるのであればその実現を強く願う」とのコメントを発表し、従来の「県内移設容認」姿勢を軌道修正した。
こうした知事の発言の背景には足並みのそろわぬ鳩山政権へのいらだちがある。27日には北沢俊美防衛相が現計画を「公約違反に当たらない」として容認を示唆したのに対し、鳩山首相と岡田克也外相が相次いで発言を否定。岡田氏は同時に米軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)に統合する案で米側と調整に入る方針を表明した。
しかし、嘉手納統合案については嘉手納町議会が28日、撤回を求める意見書を全会一致で可決。米側との交渉以前に暗雲がたれこめている。
鳩山首相は仲井真知事らから面会を求められたが、平野氏に任せて自らは会わずじまい。記者団に対しては「最終的には私が決める。決めたらその結論に沿って(閣僚の)皆さんに動いていただきたい」と強調した。(毎日)>
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4252 普天間移設で沖縄県知事ら早期決着迫る 古沢襄

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