キャンベル米国務次官補が5日に来日する。オバマ大統領の訪日を控え、懸案となっている米軍普天間飛行場の移設問題などを日本側と協議するというが、鳩山首相の腰が定まっていない現状を考えれば、無駄足になるのは避けられない。
<【ワシントン時事】米国務省当局者は2日、キャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)が5日に日本を訪れることを明らかにした。オバマ大統領の訪日を控え、懸案となっている米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題などを日本側と協議する見通し。
同当局者は、キャンベル次官補が3、4の両日、ミャンマーを訪問した後、5日午前(日本時間)に東京に立ち寄ると述べた。「定期協議の一環」としている。同次官補は、同日午後には東京をたち、ワシントンに帰任する。
普天間問題をめぐっては、鳩山政権内で足並みの乱れが出ており、岡田克也外相が訪米を米側に打診したものの、日程調整が難航している。こうした中で、キャンベル次官補はミャンマー訪問の帰りに日本側とじかに協議することを決めた形だ。(時事)>
共同通信が実施した全国電話世論調査結果では、鳩山内閣の支持率は9月中旬から10ポイントも下落して62%になった。まだ高支持率にあるという見方もあるが、政権発足時に72%だった支持率が10ポイントも下落した事実は覆い隠せない。明らかに風向きが変わりつつある。
やはり元大蔵官僚を社長ポストに据えた郵政人事や政治資金収支報告書の虚偽記載問題が響いている。さらには民主党の辻恵衆院議員が弁護士業務で預けられた約5億円の供託金を返還していないとして訴えられたことや、鳩山首相が株の売却などで得た約7200万円の税務申告漏れが指摘されたことが、ジワジワと鳩山政権のマイナスイメージとして広がっている。
世論は正直である。元大蔵官僚の斎藤次郎氏を日本郵政の社長に起用した人事は、61%が天下り禁止方針と「矛盾する」と批判している。鳩山首相の政治資金収支報告書の虚偽記載に関しても、首相の説明に「納得できない」が68%。
鳩山首相を取り巻く環境が厳しさを増している中でのキャンベル次官補の来日である。普天間移設を日米合意にしたがって実行すると決断すれば、日米間に生じたギクシャクした関係は是正されるであろうが、鳩山首相はオバマ来日まで結論は出せないと衆院予算委員会で言明した。
米国の圧力によって普天間移設計画を認めれば、鳩山内閣の支持率がさらに低下することを懸念しているのではないか。事実、ここまでこじれれば、その可能性がある。
米国は日米合意の遵守を求めている。クリントン国務長官との会談で岡田外相の訪米について、門戸を開いているとケリー米国務省報道官は記者会見で明らかにした。キャンベル次官補も同じことを言うのであろう。
<ケリー米国務省報道官は2日の記者会見で、岡田克也外相が今週後半に訪米し、クリントン国務長官と会談する方向で調整していることについて「クリントン長官は会談する用意がある」と述べ、国務省側は6日(日本時間7日)に会談時間を設定しており、会談が実現するかどうかは「外相次第」とした。
一方、国務省が日米外相会談の日程を10月31日にいったん発表し、同日中に撤回したことについて、国務省高官は11月2日、記者団に対し、6日夕まで予定されている参院予算委員会との兼ね合いで流動的な面が残っていることが撤回した理由だったと説明した。(共同)>
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