鳩山由紀夫首相が政治献金に関して虚偽の記載を重ねていたことが次々に判明しています。
11月3日の日本経済新聞の報道でも、悪質な手口が紹介されていました。ウソの「寄付者」の名前を各種の名簿から勝手にピックアップして悪用していたというのです。要するに献金をしていない人が献金をしたことにして記載していたのです。
2005年から2008年までの報告書によると、各年に寄付者として記載された人数は51人から70人ですが、このうち鳩山首相側は各年38人から55人がウソの記載だったというのです。
さらには鳩山首相の「脱税」も報道されました。この行為は「税金の申告漏れ」とも評されますが、払うべき税金を払わない行為はふつうには脱税と呼ばれます。
これも日本経済新聞の報道ですが、鳩山氏は2008年に保有株式を売って得た7000万円の所得を申告していなかったというのです。鳩山事務所では「手違いがあった。直ちに修正し納税した」と述べているそうです。
鳩山首相がこの「脱税」については「私の間違いだ。指摘されるまで気が付かなかったといおうポカをしてしまった」と述べているそうです。
虚偽献金と脱税と、いずれもゆゆしき重大事態です。違法行為です。公人として許されるのでしょうか。なぜ日本のマスコミがもっと追及しないのか。ふしぎです。
以下は鳩山首相の虚偽献金についてのわかりやすい解説記事です。参考にしてください。
<鳩山由紀夫首相の資金管理団体による政治資金収支報告書の虚偽記載問題で、個人名を記載する必要のない「匿名献金」についても虚偽だったことなど鳩山氏側が当初公表した以外の事実が次々と明らかになってきた。
鳩山氏側は虚偽記載の総額を4年間で約2177万円としたが、匿名献金などと合わせ、2億円近くに達する可能性もある。隠蔽(いんぺい)工作とみられる架空の税金控除を申請していたことも判明するなど広がりを見せる首相の献金問題。東京地検特捜部が実態解明を進めている。
鳩山氏の「友愛政経懇話会」の収支報告書によると、5万円以下の小口の匿名献金は平成16~20年の5年間で計1億7717万500円計上されている。
関係者によると、会計事務担当だった元公設第1秘書は、鳩山氏側の内部調査に「鳩山氏の個人資産を充てた」と説明し、匿名献金の総額の記載が虚偽だったことを認めているという。
政治資金規正法は、収支報告書の基になる会計帳簿の作成と保管を義務づけており、匿名献金についても、寄付者名や金額などを記載しなければならない。同団体が特捜部に任意提出した会計帳簿には、一部、実際に受けた匿名献金の記載もあったとされるが、大半が虚偽の記載だったという。
鳩山氏側は17~20年の4年間で2177万8千円分が虚偽だったと認め、訂正したが、産経新聞の取材では、未訂正の16年分についても同様の虚偽記載が複数あることが判明している。
立件対象となる虚偽記載の総額は、鳩山氏側が認めている約2177万円と16年分を合わせ、2億円近くに上る可能性も出てきた。
■「正規」装う?
一方、同団体は17~19年に名前を勝手に使った延べ75人について、税金控除のための書類を総務省に申請していた。75人については、同団体が「虚偽記載だった」として収支報告書から削除している。
総務省によると、寄付者が税控除を申請する場合、政治団体がそれぞれの氏名や住所などを記載した控除用書類を収支報告書に添付して同省に提出。同省は書類と報告書を照合し、書類に押印して団体を通じて寄付者に交付する。寄付者は確定申告でこの書類を提出し、税控除を受ける仕組みになっている。
しかし、控除用書類は、「寄付者」に渡っていないとみられ、税金控除の手続きは、正規の献金を装うための隠蔽工作だった可能性も浮上している。
■悪質性どう判断
特捜部は年内中に規正法違反容疑での立件の可否を検討するとみられるが、判断のポイントは何か。ある検察幹部は「虚偽献金の原資や動機、総額などが焦点となる」と指摘する。
鳩山氏側は原資について鳩山氏の自己資金だと説明しているが、特捜部は、鳩山氏の実母ら鳩山家の資産を管理する「六幸商会」(東京都港区)から経理書類の任意提出を受け、鳩山氏以外の親族の資金が流入していないか調べている。
実母らの資金が個人献金の上限を超えて流入していれば、虚偽記載に加え、規正法の量的制限違反にあたる可能性があり、自己資金だったとしても、上限を超えていれば、同様に量的制限違反にあたる可能性があるという。元秘書は「寄付をお願いする仕事を怠り、それを隠した」と説明したとされるが、動機の解明がポイントとなる。
今年3月に公設秘書が起訴された小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体などの虚偽記載額は3500万円だった。ただ、小沢氏側の場合、動機はゼネコンからの企業献金を隠すためだったとされており、鳩山氏側の問題と背景事情が異なる。こうした悪質性をどう評価するかも判断材料になるという。(産経)
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【用語解説】虚偽記載と量的制限違反
政治資金規正法は、収支報告書の虚偽記載について、5年以下の禁固または100万円以下の罰金と規定。1年間に資金管理団体などに献金できる上限を定めた量的制限違反は、1年以下の禁固または50万円以下の罰金。個人の上限は年間150万円、政治家本人は1000万円。
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