日米首脳会談と米フォートフッド陸軍基地の銃乱射事件のどちらが重要か、といえば答えは自明の理である。しかし、米国はあえて米軍最高司令官としてオバマ大統領が犠牲者の追悼式に出席すること選んだ。この結果、オバマ大統領の訪日日程は実質的に一日だけの訪問に短縮・変更された。
変更された13、14日も、14日朝にはシンガポールのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にオバマ大統領が離日するから、実質的には来日する13日だけの日本訪問になる。行事も大幅に短縮されるから、駆け足の訪問にならざるを得ない。それでも銃乱射事件を理由に訪日を中止する事態だけは避けられた。
これが日米間の深刻な現状を象徴している。鳩山政権がどう取り繕っても事実は覆い隠せない。
<12、13日に予定されていたオバマ米大統領の来日日程が、13、14日にずれ込み、大統領の初来日は実質1日の駆け足の訪問になる見通しとなった。11月初旬に検討されていた岡田克也外相の訪米も中止になったばかり。突然の日程変更は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題などでギクシャクする日米関係に微妙な影を落とすことになりそうだ。
鳩山由紀夫首相は7日、首相官邸で記者団に対し、「乱射事件があったので大変だと思う。その思いは理解しないといけない。(日米首脳)会談をしっかりとやりたい」と述べ、日程変更を受け入れる考えを示した。
日程変更後も、日米首脳会談は予定通り13日午後に行う予定で、オバマ大統領の東京都内での講演も実施する方向で調整している。ただ、14日昼にはアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議がシンガポールで開幕するため、日米両首脳とも同日朝には離日する必要があり、主な行事は13日に集中する。
大統領は、アフガニスタンへの増派の是非をめぐり米国内で厳しい状況にあるため、乱射事件の追悼式出席を最優先したとみられる。外務省幹部は「大統領は軍の最高司令官。アフガン問題にもかかわるので政治的に出席は不可避だ」と理解を示した。(毎日)
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4333 米大統領来日は実質1日だけの訪問 古沢襄

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