4341 侮れぬ韓国女子プロの実力 古沢襄

さすがに宋ボベが優勝(ミズノクラシック)した韓国の新聞の扱いは大きい。日本女子オープンで宋ボベが優勝した時には、韓国にもこういう正確なショットを打つ選手がいるという程度の印象しかなかった。むしろLPGAツアーで宮里藍ちゃんと争う申智愛の方が印象に残る。
華やかさからいえば日本の賞金女王争いで三位につけている全美貞ではないか。派手ではないが美女と言って良い。宋ボベも申智愛もお世辞にも美女とはいえない。どこにでもいる娘さん。だが、異国で頑張る様はただの娘さんではない。
宋ボベについて韓国の朝鮮日報が詳しく書いていた。ゴルフの天才少女だった宋ボベは済州聖心女子高校時代に韓国女子オープンで優勝し、すぐにプロの世界に飛び込んで、04年には韓国女子プロゴルフ(KLPGA)新人賞・大賞・賞金王を獲得した。華やかな10代を過ごしたといえる。
ところが昨年4月の韓国大会で、競技委員の判定に異意を申し立て棄権したため、KLPGAから出場停止処分を受けてしまった。大人しそうだが気が強い女性である。もっとも内に秘めた激しい気性が、数々の優勝を獲得して源泉なのかもしれない。
「10歳以上も年を取った気がするほどつらかった」という宋ボベが復活したのは日本女子オープンの優勝だったという。吹っ切れた宋ボベは「ミズノクラシック」で申智愛、宮里藍、全美貞の追撃を振り切り、ビッグタイトルを手にした。
このいきさつからすると、来季の宋ボベは米女子プロゴルフツアー(LPGA)の出場権を獲得したが、日本の女子プロゴルフツアーに専念するつもりではないか。そうなれば日本の諸見里しのぶ、横峯さくら、上田桃子らも安閑としておれなくなる。
だが宋ボベを脅かす存在がもう一人いる。「ミズノクラシック」で12アンダーで二位タイにつけた韓国の朴喜暎。日本ではあまり知られていないが、タイのパタヤで開かれた「ホンダLPGA」で自己最高の二位に食い込んでいる。米女子ゴルフツアー参戦二年目の21歳。実力もさることながら、美貌と容姿で韓国では人気がある。
来季は米女子プロゴルフツアーで活躍している韓国の女子プロが、日本の女子プロゴルフツアーに大挙して移ってくる噂もある。米女子プロゴルフツアーは韓国の女子プロによって席巻されている観があるが、来季は日本に舞台を移すとなれば面白くなる。
<8日、日米女子プロゴルフツアーを兼ねたミズノクラシックで優勝した宋ボベ(ソン・ボベ)=23=と電話がつながったとき、彼女はひどく疲れている様子だった。第2ラウンドを1打差の単独首位で終えてからは、よく眠れなかったという。「夜11時ごろようやく眠れたかと思うと、午前3時ごろにパッと目が覚めてしまうんです。こういうことは初めてでした」。
三重県志摩の近鉄賢島CC(6506ヤード、パー72)で行われた同大会第3ラウンド。宋ボベはこの日、4打減らし通算15アンダー、201打で、パク・ヒヨン(H.Y.パーク)、ロレーナ・オチョア(メキシコ)、ブリタニー・ラング(米国)ら2位グループを3打差と引き離し、優勝カップを手にした。
宋ボベは10番ホール、12番ホール、13番ホールでバーディーを追加し、勝利を確実なものにした。それでも、気持ちの余裕はなかったようだ。「オチョアやほかの韓国人選手がピタリと付けているという思いを振り払うことができませんでした。ゴルフではミスが付きもの。自分のプレーに集中しようと苦労しました」という。
宋ボベは17番ホール(パー3)でパーを取って「初めて勝利を予感した」と言った。「ティーショットがバンカーに飛んだんです。14番ホールでボギーを出して不安だったんですが、幸い跳ねてグリーンに載りました」。
18番ホールをパーでまとめ、優勝を決めると、やっと宋ボベの顔から笑みがこぼれた。申智愛(シン・ジエ)が近寄り、「先輩、おめでとう」といいながらハグした。この優勝で来年の米女子プロゴルフツアー(LPGA)出場権を得た宋ボベは「日本のツアーさえやっと慣れたところ。米国行きはもう少し考えてから決める」と言った。
宋ボベは華やかな10代を過ごした。済州聖心女子高校に在学していた2003年、宋ボベは韓国女子オープンで優勝し、すぐにプロの世界に飛び込んだ。04年には韓国女子プロゴルフ(KLPGA)新人賞・大賞・賞金王を獲得、05年にも2年連続の賞金王になった。
度胸の良さに巧みなショットは、その後を継ぎ韓国女子プロゴルフ界を制した申智愛に引けを取らなかった。そして07年に日本プロゴルフ界にデビュー、08年には初の1勝を挙げる。ところが、昨年4月に韓国の大会で競技委員の判定に異意を申し立て棄権したため、KLPGAから出場停止処分を受けてしまった。
「この数年間で10歳以上も年を取った気がするほどつらかった」と宋ボベは言う。これまでのやりきれない思いを吐露する言葉にも聞こえた。しかし、宋ボベは10月、日本女子オープンで延長戦の末に優勝、このほどKLPGAから「赦免」されたのに続き、LPGAで初優勝を成し遂げた。宋ボベのゴルフ人生も、やっと花開き始めたという感がある。
宋ボベの優勝で、韓国選手の今シーズンのLPGA優勝数は「11」に増えた。06年と同じ数字だ。オチョアはこの日、8打減らし2位タイ、申智愛は5位タイ(11アンダー)になり、今年の選手競争はさらに激しさを増している。
今シーズンもあと2大会を残すのみという8日現在、申智愛は今年の選手ポイント 147点で1位、オチョアは143点で2位に付けている。賞金ランキングでは1位が申智愛で170万8859ドル(約1億5300万円)、2位は宮里藍(日本)で146万8562ドル(約1億3200万円)だ。(朝鮮日報)>
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