北朝鮮国内の反金正日の動きは根強くある・・・というのが米韓情報当局の分析だが、その一つとして金正日総書記の専用列車の運行警備が詳しく明らかにされた。2004年4月に平安北道竜泉郡の竜泉駅で起きた大型の爆発事故以降、専用列車運行の際の警護がさらに強化されたという。
金正日総書記は航空機を使わない、ロシア訪問に際しても金正日専用列車を使っている。ここにきて健在ぶりを示すために国内の現地指導の回数が増えたが、その度に金正日専用列車が使われる。テロに備えて、金正日専用列車の前には事前偵察要員を乗せた列車が走る。さらに後ろから警護列車が走るという厳重な警備を行っている。
朝鮮日報が伝える金正日専用列車の記事が面白い。テロ国家がテロに怯えるということである。
<2004年4月、金正日(キム・ジョンイル)総書記が中国を訪問した際に利用した専用列車が、北京近郊の駅を出発している。 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が国内の現地指導や外国訪問の際、主に利用する専用列車が6種90両に達し、専用駅19カ所があることが分かった。また、テロに備え、金総書記の専用列車が走行する前後には、事前偵察と警護のための列車が2本、別途に運行されるという。
韓米情報当局は、米偵察衛星やU2偵察機など各種偵察装備と、脱北者の証言など人的情報を総合し、「金正日専用列車」の追跡と分析作業を行ったという。その結果によると、同列車の専用駅(別名1号駅)は平壌竜城1号駅とカンデドン1号駅をはじめ、元山、新義州、恵山などにあり、専用駅は通常、金総書記の専用別荘から数キロ-30キロ以内の地域に設置されているという。
金総書記が専用列車で移動する際は、通常3本の列車が一緒に運行されることが分かった。まず、金総書記が乗った列車の前を警護および行事要員が乗った先行列車が走り、線路の安全などを点検する。また、専用列車を間に挟んで、警護兵力と支援要員が乗った列車が一定の間隔を置いて追走する。専用列車は通常時速60キロ以内のゆっくりとした速度で移動するという。
金総書記が降り立つ駅では、爆発物など各種テロに備え、警護と秘密要員100人が前もって駅に到着し、徹底的に点検する。また、専用列車が駅に進入する前にほかの線路の電気を切って列車が動かないようにし、専用列車が通過した後に再び電気を通す。消息筋によると、2004年4月に平安北道竜泉郡の竜泉駅で起きた大型の爆発事故以降、専用列車運行の際の警護がさらに強化されたという。
金総書記が乗る列車には防弾装備が施されているほか、会議室、接見室、寝室などが備えられている。衛星電話など最新の通信装備や壁掛けテレビなども備え付けられており、主要事項について即座に報告を受け、指示を出すことができるようになっている。
金総書記が列車から降りて別荘に移動するときは、専用列車に載せてきたベンツなど自分の乗用車を利用する、と消息筋は伝えた。金総書記が専用列車で国内の現地指導をするときは、北朝鮮空軍のIL76輸送機、MI17ヘリコプターなどが警護支援要員や装備を近くの飛行場まで輸送することもある。金総書記は今年に入ってから今月初めまで129回現地指導を行い、今まで最も多かった2005年(129件)と同じ水準に達しており、今年は過去最高を記録することが予想される。(朝鮮日報)>
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4348 厳重警備の金正日専用列車 古沢襄

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