4349 パキスタン軍のタリバン制圧作戦 宮崎正弘

パキスタンはワリジスタン地方で戦闘続き、難民35万人。アフガンの主戦場はクンドス地方に移行、タリバン戦闘員は750。
凄惨な悲劇が続いている。パキスタンでは軍精鋭部隊が三万、ワリジスタンへ投入され、つぎつぎとタリバンの軍事拠点を制圧しているが、タリバンは暫時、兵力温存のため他の拠点へ移動した。
その一方でイスラマバード、ラホール、ペシャワールなどでの自爆テロが頻発、とくにペシャワールでは反タリバンの急先鋒だった市長が暗殺された。
アフガニスタンではクンドス地方(モハメド・オマル知事)へ主戦場が移行した模様で、AFPによれば、タリバン軍事組織と外国人部隊合計750(AFP,10月9日付け)。
多国籍軍は11月1日から6日までの作戦でタリバン幹部8名を含む150名を殺害、チャハル・ダラ地方ではタリバンの影の知事と言われたテロリストらを殲滅したという。
一方、米国の増派決定がまだ遅れている。
マクリスタル司令官が要望した四万の増派は「政治的判断」が難しくなり、とくに議会民主党の反対とバイデン副大統領の強硬な減員建言により、おそらく三万人以下に減らされる可能性が高いという。オバマ大統領は近く決断を発表する。
米国の対アフガニスタン戦略はパキスタン重視への政策転換が背後にあり、最終的にはパキスタンの核兵器がテロリストに渡らないための措置をいかに講じるか、パキスタンと半世紀を超える軍事同盟の相手=中国との秘密交渉がつづいていると推測される。
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