週間現代に「小沢一郎 次の総理は亀井」と書かれたせいではあるまいが、ここにきて亀井静香郵政改革・金融相(国民新党代表)の突出した派手な動きが話題となっている。背景にあるのは鳩山政権の迷走ぶりである。高支持率も各マスコミの世論調査では低落傾向が出ている。政治評論家の屋山太郎氏が「鳩山政権は長く続かない」と占ったが、鳩山氏の人の好さを割引しても、屋山氏の言うことが現実味を帯びている。
鳩山首相の故人献金問題で、すでに解任された公設第一秘書・勝場啓二氏と政策秘書・芳賀大輔氏が逮捕、起訴されれば、鳩山政権にとっては命取りになるという観測が生まれている。菅直人副総理・国家戦略担当相が次の首相という呼び声があるが、ダークホースとして亀井氏が急浮上している。それだけ鳩山政権の上に暗雲が立ちこめている。
鳩山政権で亀井氏の横紙破りぶりは異彩を放っている。鳩山側近の平野官房長官を電話で怒鳴りつけたり、菅副総理が内定した2・7兆円の二次補正補正の予算規模の閣議決定に待ったをかけるなど、向かうところ敵無し。強面で押し通すので、民主党内では煙たくも恐ろしき存在となった。内閣ではナンバー2は菅副総理でなくて亀井氏だとまで言われている。
鳩山官邸のコントロールがきかない様は、戦前の関東軍的な存在といわれている。しかも小沢幹事長とは、とてつもなく仲がいい武闘派。亀井氏にしてみれば、ひ弱な鳩山側近では、何事も決めきれない”お公家さん”集団にみえるらしい。
そんな亀井氏だが、ここにきて国民新党を越えて新しい勢力を結集する動きをみせている。保守系無所属の平沼赳夫元経済産業相の「平沼グループ」や新党日本(田中康夫代表)に働きかける一方、自民党内の郵政民営化に慎重な議員の切り崩しもねらっているという。
亀井氏は16日、首相官邸で記者団に「間違いなく、そういうこと(新党結成)になる。今週あたりに話し合いを煮詰めていく」と自信のほどをみせた。意気込む亀井氏だが、まだ海のもとも山のものとも分からない。いずれにしても亀井氏が台風の目となることだけは間違いない。
<政府は16日午後、首相官邸で与党党首クラスによる基本政策閣僚委員会を開き、平成21年度第2次補正予算、22年度予算の編成方針を協議した。菅直人副総理・国家戦略担当相は2次補正の規模を2・7兆円とし、17日の閣議で編成方針を決める考えを示していたが、亀井静香郵政改革・金融相(国民新党代表)が閣僚委で規模の上限を決めることに異論を唱え、17日の閣議に予算額を提示することは見送られた。
かねて10兆円以上の2次補正編成を主張してきた亀井氏は「景気は深刻だ。橋本龍太郎内閣がそうだったが、景気が政権の命取りになる可能性がある」と主張した。これを受け、社民、国民新両党の主張を予算編成に反映させるため、基本政策閣僚委の下に、財務相と両党政策責任者の協議の場を設けることを決めた。(産経)>
<国民新党の亀井静香代表が、新党日本(田中康夫代表)と、無所属の平沼赳夫元経済産業相が率いる「平沼グループ」に、年内の新党結成を呼びかけていることが16日分かった。新党日本、平沼グループともに連携強化には前向きだが、新党結成には異論もあり、慎重に検討している。新党構想ではこれに加え郵政民営化反対組の自民党議員ら数人の参加も見込んでいる。
新党構想を主導する亀井氏は16日朝、東京都内で記者団に対し「新しい保守を結集しようという動きだ」と述べた。亀井氏は先週、平沼氏に連携を打診。平沼グループの一人は「聞き置いたが、新党結成はない」と、早期の新党結成に否定的な見方を示した。
また、田中氏は16日午前、国会内で記者団に対し、新党構想を打診されたことを明かしたうえで「私としては『急に言われても』というところで話が止まっている」と述べるにとどまった。
新党構想に関しては、亀井氏が15日、那覇市内で開かれた国民新党衆院議員の会合に、田中氏らと出席。「巨大な民主党に政策実現を迫るにはどういう力学でいくべきか」などと述べ、与党内での発言力を高めるため新党日本との連携を強化する考えを示していた。(毎日)>
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