先日インディアンの友人の講演を聴きに行った。このブログを書き始めたちょうど1年前にも登場したが、ヨーロッパ人と最初に現在のボストン南部で正式に交流した
ワンバノグ部族の一員、メディソンマンだった父を持つ友だ。彼女が穏やかに淡々とアメリカの歴史を語ってくれた。彼女によるとイギリス人らが来る前にワンパノグ部族には65の村があったが、現在は当時と同じ場所にまとまって住んでいるのは三つの村だけだそうだ。 詳しくは2008年12月のブログでhttp://cyamazaki-heineman.blogspot.com/2008/12/blog-post_20.html
歴史は語るものと、聞くものの感情が入り、記憶という主観的な行為も含まれるので、いろいろな視点が出てくる。
アメリカの歴史の教科書にでてくるサンクスギビングの話しもしかり、彼女はある一定の人を悪者にするのでなく、自分が聞いて育ってきた話しを自分の言葉で語ってくれた。
イギリス人が自分たちの収穫を祝っていると、そこに普段かれらの様子を遠くで、近くで伺っていた彼女の先祖たちがその仲間に入り、一晩の収穫の打ち上げパーティーでなく、何晩にかけて祭りは続けられたので、そのうちインディアンの方も食べ物をどんどん持ち寄り(ポットラックの原型??)共に祝ったということだった。
美化された話しでも、そこには英雄も出て来ないが、年寄りから孫に語り継がれてきた話しがあった。しかしこれを合衆国の祭日としたのはアブラハム・リンカーンでそれから数百年先のこと。
さらに講演で一つのドキュメンタリーフィルムを視た。「Who Own the pastー過去は誰が所有しているか」
過去を科学的証明に晒し、真実を解き明かすのが目的というが、そこには真実を解き明かすためには何をしても許されるとした奢りに対抗した友人インディアンたちの思いがあった。
つまり合衆国政府がどんどん墓をあばいて行き、骨を採取して博物館の所蔵庫に眠らせたままにしているから、それを本来の部族に返して欲しいという要求だった。
自分たちの歴史を、自分の誇りにも、痛みにもできる。なかには昔の人がやったこと、自分には関係ないという輩もいる。しかし過去の事実、自分が生まれる前にその生まれでた国や、文化、土地がなしてきたことも、一つの己の宿命として、責任もってあたるのはとても勇気のいることだと思う。
日米がどんな関係だったか、もう一度過去を振り返り、方向修正して行ってくれれば、それは中日外交関係も、日本とおとなり朝鮮半島の国々の関係でも、過去をもう一度、見つめ直し信頼のおける関係が再生されたらと願わずにはおれない。(モンタギューだより)
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4446 『過去は誰が所有しているか」 山崎千恵子ハイネマン

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