4456 長女の嫁入り 平井修一

長女が結婚のために引越した。膨大な荷物を3階のペントハウスから降ろし、婿さんのレンタカーに詰める。久し振りの肉体労働で、小生は午後は寝込んでしまった。丹沢を山歩きをした気分だ。
足がつって起きたら、子連れで遊びに来ていた次女が言う。「山歩きしないでもその気分になれるから安いものよね」いやな奴である。俺の血を引いているのだろう、口が悪い。
さて、長女がいなくなって家はがらがらである。空っぽになった15畳の部屋はカミサンが使うようである。それにしてもがらがらの15畳というのはなんか寂しい感じだ。剣道場みたい。
6人家族が今や夫婦と母の3人家族になってしまった。そういうものか。そういうものである。
ばたばたしていたから婿さんとは「ま、仲良くやってね」としか挨拶できなかったが、月に1回くらいは食事に来て欲しいものである。「うまいもん作るから遊びにおいで」と言い忘れた。
長女がレンタカーに乗って去る前に封筒をくれた。メモと1万円札が入っていた。
<パパへ
いつも洗濯や片づけや、おもしろい話、ありがとう! 体に気をつけてね。ママは同じ話を何回もするけど、聞いてあげてね。おばあちゃんには、ほどほどに・・・パパは飲みすぎないでねでは!また!!すぐ来まーす!!!>
やっぱりなんか虚脱感、一抹の寂寥感というのはあるな。
夜中に起きたらカミサンの布団が空っぽで、俺を真似て首でもくくったのかと不安になってあちこち探したが、不明である。携帯に電話したら、孫と8畳間で寝ていると言う。「なによ、あんた、うるさいわね」ってなもんである。
孫の製造責任の次女が宴会でいないから員数が合わないのだ。次女は午前2時に帰ってきた。女の子にとって実家はかけがえのない「安らぎの場」、リトリートなのだろう、「あら、パパ、起きていたの?」だって。
なんか俺の出番がますますなくなるが、子供にとってはカミサンがいる限り安心の故郷なのだろう。小生の居場所は細るばかりで、ま、それはいいけどさ、と、ここは笑う場面である。
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