4478 NATOに一万人のアフガン増派要請 宮崎正弘

オバマ政権、NATOに一万人のアフガン増派要請。西欧は冷淡、フランスは「一兵たりとも増派には応じない」。
オバマ大統領のアフガン増派決定がまだ遅れている。
米国マスコミは12月1日に増派の具体案が発表されるだろうが、現地のマクリスタル司令官が要求している四万人増派はあり得ず、一万五千から三万のあいだのどれかに落ち着くだろうと観測記事を飛ばしている。
2009年11月現在、アフガニスタンで展開されている欧米の兵力は米兵が68000,NATOが40000の合計108000名。
またオバマ大統領はNATOに対して、「あと一万人を増派協力してくれ」と言い出した。
日本はインド洋給油から逃げて、かわりに4500億円も支払わされるが、NATOのなかでとりわけ冷淡なのがフランスである。
というのもフランスは昨年にも800,ことし200を増派したうえに訓練のためのベテランを150名追加、現時点で3750名のフランス兵がアフガニスタンへ派遣されている。
サルコジ大統領は「これ以上は協力しない。フランスは一兵たりとも送らない」と言明している。
さきに英国ブラウン政権は「あと500名の増派」を決定したが、直後から英国世論は厭戦ムード、いまで国民の七割が撤兵を希望している。
ブラウン首相は「わたしは楽観的である。NATOは結局、一万の要請に対して、五千名は増派に協力するだろう」と発言している。
カナダは国防大臣がゲーツ米国防長官と頻々に接触しているものの、増派には拒否の構え。オランダとならんでカナダは『2011年までに撤退』を言明している。
ドイツも4200名の兵力をアフガニスタンへ送り込んでいて、これ以上は無理という姿勢をメルケル首相は示唆している。
となると増派に応じそうな例外国家はイタリア、ポーランド、そしてグルジアとなる。
とくにグルジアは非NATOメンバーだが、サアカシビリ大統領は反ロシア外交を鮮明にしているため、将来のNATO加盟をみこし、対米協力一辺倒である。
 
NATO首脳会議は12月7日、ブラッセルで開催され、具体的な増派がきまる。
  
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(読者の声)貴誌2787号、このままの無策政権で株安とドル安はとまらず、「鳩山不況」という定義。全く同感です。
早く倒閣しないと日本はつぶれます。亀井・藤井でどれだけ株式時価総額を失ったことでしょうか。GDP事前漏れの直島など辞任ものです。閣僚の発言の重みが理解できないのでしょうか。ドル円は次の節目が1995年の79.1ですから割り込みに行きます。(ZG生)
(宮崎正弘のコメント)昨日まで万年野党、反対しか能がなかった人たちが責任ある立場についたら、何をやって良いのか分からない。けれども官僚に操られていないぞとアピールだけはしたい。だから支離滅裂になる。それが現状でしょう。
為替チャートから判断する限り、来年後半に一ドル=70円が見えています。欧米のみならず、日本でも田中貴金属などにゴールド買いの長い列があります。
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