予想されていたとはいえ、普天間移設の解決を来年に先延ばしした鳩山首相に対する米国の風当たりは、予想以上に厳しい。このままでは普天間に米軍は居座ることになる。
ルース駐日米大使と交渉に当たった岡田外相は日米合意が実行できないと、日米の信頼関係が危うくなると危機感を抱いている。問題の先送りは解決につながらないと那覇市での記者会見で強調した。さらに「打開につながる決断が何か、首相を含めて協議している」と語った。この日、小沢幹事長、輿石参院議員会長が鳩山首相と公邸で会うこともあった。
<岡田克也外相は5日、那覇市で記者会見し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐり、「日米合意が実現できない時に(日米間の)信頼関係がどれだけ維持されるのか。今の日米関係の現状について、私は非常に強い危機感を持っている」と述べた。年内決着の先送りに強い懸念を示したものだ。
岡田氏は、連立を組む社民党が同県名護市辺野古への移設に反対していることなどを理由に、年内決着が「容易でない」との認識を表明した。その上で、問題の先送りは解決につながらないと強調。「打開につながる決断が何か、首相を含めて協議している」と語った。
岡田氏はこの後、那覇市内で仲井真弘多同県知事と会い、4日に東京で開かれた日米間の協議内容などを説明した。また、5日午前の伊波洋一宜野湾市長との会談では、「このままいくと、普天間飛行場の危険がなくならないという最も懸念するような事態になりかねない」と述べ、2014年までに完了予定の移設計画が白紙に戻りかねないとの認識を示した。
日米作業部会に出席した米政府当局者らと4日に会った民主党関係者によると、当局者らは移設が進まなければ普天間飛行場の老朽化した施設を更新する予算措置を取る可能性を伝えた。岡田氏の発言には、こうした措置が取られれば、現状の固定化につながるとの懸念があるようだ。
一方、鳩山由紀夫首相は5日夕、首相公邸で北沢俊美防衛相と会い、普天間問題で意見交換した。首相は記者団に「時間的問題も含めて幅広く検討しなければいけない。日米関係は大事なので、そのことも含めて話をした」と説明した。(朝日)>
杜父魚ブログの全記事・索引リスト
4523 岡田外相「日米関係の現状に危機感」 古沢襄

コメント