4543 菅副総理と亀井担当相が経済対策で口論 古沢襄

2次補正予算に盛り込む経済対策で、菅副総理と亀井担当相が20分間もの口論となったが、単純な言い争いとも決めつけられない。森内閣当時に亀井氏は自民党政調会長として、積極経済・大幅な財政出動を唱えていた。これに対して竹中平蔵氏は批判的だったが「森首相は亀井氏の言う事しか聞かない」とこぼしていた時期がある。
それが小泉内閣になると竹中氏が経済政策の舵取りを行うようになって、むしろ亀井氏が反発することになった。竹中氏は在任中一貫して構造改革を唱え、緊縮財政を貫いた。亀井氏にしてみれば、竹中構造改革によって日本での地域間経済格差や個人間経済格差が社会問題化したという認識がある。
これは日本経済の舵取りをめぐる古くて新しい課題といえる。古くは積極経済成長を推進した田中角栄元首相に対して福田赳夫元首相は安定経済成長を唱えて対立している。田中氏の側からすれば、福田経済は一九世紀的な節約路線と映ったわけだ。節約よりも積極経済政策を貫いて、財政規模を拡大することによって、税収を増やすことで活路を見出すというわけだ。
今度は菅副総理、藤井財務相の側から亀井氏の拡大経済政策について批判することになった。事が経済政策をめぐる論争だから、根が深いと言わなければならない。
菅副総理、藤井財務相の言い分は、国債発行総額は過去最大の53兆5千億円に膨らむことは異常事態という認識がある。縮小均衡財政という批判を浴びても、亀井氏の拡大成長財政には与するわけにはいかないというわけである。
<藤井裕久財務相は8日の閣議後の記者会見で、09年度の一般会計税収が当初予算で見積もった約46兆1千億円から9兆2千億円程度下振れし、約36兆9千億円に落ち込むとの見通しを明らかにした。これに伴い、国債発行総額は過去最大の53兆5千億円に膨らみ、終戦直後の46年度以来、63年ぶりに税収を上回る異常事態となる。税収が37兆円を割り込む低水準となるのは、84年度以来25年ぶり。(共同)>
 
<8日朝、首相官邸で開かれた基本政策閣僚委員会は、与党3党の党首級閣僚で2次補正予算に盛り込む経済対策を粛々と最終確認するはずだった。だが、菅直人副総理兼国家戦略担当相と亀井静香金融・郵政担当相が20分も口論する場になった。
口火を切ったのは菅氏。「なんで金曜日に来なかったんですか」と、亀井氏が4日の同委に出席せず対策決定が遅れたことを批判。さらに「郵政株式売却凍結法案も国民新党のために成立させた」「(元大蔵事務次官の)斎藤次郎(日本郵政社長人事)も認めたのに」とたたみかけた。
これには亀井氏も猛反論。「郵政は3党合意でやったんだから、言われる筋合いはない」「人事はおれが首相とやり取りして決めたんだ」とまくしたて、「ここでは(対策を了承するとは)言わない。首相が決めたら従う」と態度を硬化。対策了承が閣議に持ち越される異例の展開となった。
両氏の応酬は閣議後会見でも続いた。菅氏は「3党の政策調整は、ちゃんと出席していただければ閣僚委で行う。党を代表する立場なんだから、政権全体の責任を分かち合ってもらいたい」と嫌みたっぷり。亀井氏は「菅氏が言ってはならんことを言ったからたしなめた。3党連立なんだから対等だ」と反撃した。
火種は4日の電話協議だった。同委を欠席した亀井氏に菅氏が2回電話し「出てこないのは何事だ」と迫ったが、亀井氏がいずれも一方的に電話を切った。3回目の電話に亀井氏は出なかった。菅氏はそれまで、亀井氏の求めに応じ経済対策の規模を当初案の2・7兆円から積み増したり、3党の実務者による小委員会を設置するなど譲歩を重ねていただけに、「イラ菅」と呼ばれる短気さを爆発させたようだ。
 2人の亀裂が今後の政権運営の阻害要因になるのは確実だ。ただ、両氏は衆院選前は自民党の山崎拓、加藤紘一両元幹事長と4人で「YKKK」と称する食事会を不定期に開く良好な関係だったこともあり、関係修復できるかが本格化する予算編成作業にも影響しそうだ。(毎日)>
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