訪中した民主党の小沢幹事長は、胡錦濤国家主席と会談した翌日の今日11日には、引率した600人を越える訪中団を残して韓国を訪問する。李明博大統領と会談するが、韓国は民主党の最高権力者の訪韓を歓迎する空気一色に包まれている。
小沢氏は政治的な意図のない”草の根交流”の一環だとして多くを語ろうとしていない。友愛精神を掲げる鳩山外交と違って、小沢氏の行動は実務的であり、具体的な目標に向かってばく進している。
その意図は中国、韓国と結んだアジアの「不戦共同体」の構築にあるのではないか。小沢氏の頭の中では、この不戦共同体と米国との同盟維持は矛盾しないかに見える。
小沢氏はまた、外国人地方参政権付与法案の実現に意欲を燃やしている。アジアにおける不戦共同体の構築にとって欠かせないのは、日本の国内で中国や韓国のいわゆる外国人に対して、地方参政権と限定されているが、外国人参政権へ道を開くことである。不戦共同体と外国人参政権は表裏一体の関係にある。
こうみると小沢氏と胡錦濤国家主席、李明博大統領との相次ぐ会談は、小沢流のアジア戦略から出ていると見なければならない。理念倒れの観がある鳩山友愛外交に較べると、遙かに実務的で具体的な行動に満ちている。中国も韓国も大歓迎であろう。
しかし、この構想は日本国内ではまだ認知されていない。米国にも小沢構想は日本の米国離れと懸念する空気が強まっている。下手をすると国論を二分する論争に発展する可能性がある。”草の根交流”の裏に潜む小沢氏のアジア戦略に対して、日本の世論は眠ったままでいることが、気になることである。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト
4557 小沢幹事長のアジア戦略か? 古沢襄
未分類
コメント