「どっこい生きている」とは民主党の黄門様・渡部恒三元衆院副議長のことであろう。小沢幹事長が大訪中団を率いて中国・韓国の訪問旅行に出た留守中に、仙谷由人行政刷新担当相、岡田克也外相、前原誠司国土交通相、野田佳彦財務副大臣、玄葉光一郎衆院財務金融委員長、樽床伸二衆院環境委員長、枝野幸男元政調会長を集めて「反小沢勢力?」の忘年会を開いた。
この七人を渡部氏は「新七奉行」と名付けている。記者団から小沢氏の訪中について水を向けられると、「そんなの知らねえ」と渡部氏は一刀両断。蚊帳の外の鳩山首相にとっても気になる黄門様の動きであろう。
<民主党の「七奉行」と呼ばれる同党議員が10日夜、渡部恒三元衆院副議長を囲む会合を東京・赤坂の日本料理店で開いた。集まったのは仙谷由人行政刷新担当相、岡田克也外相、前原誠司国土交通相ら。その多くが小沢一郎幹事長から距離を置くとされている。小沢氏はこの日、党訪中団を率いて北京入りしており、計ったような「反小沢勢力」の結集に、党内では不協和音の増幅を懸念する声が出ている。
「みんな、この国の政治の中枢で働く立場になり頑張っている。自分の息子が立派になってくれてうれしい気持ちだ」
渡部氏は会合後、記者団にこう語り、満足げな表情を浮かべた。会合には、野田佳彦財務副大臣、玄葉光一郎衆院財務金融委員長、樽床伸二衆院環境委員長、枝野幸男元政調会長も出席し、「七奉行」全員がそろったことで、自身の存在感を内外に誇示した形だ。
「七奉行」の名付け親は渡部氏で、「党の将来を担うホープ」という期待を込めて平成15年ごろに命名した。自身が自民党旧竹下派で、小沢氏らと「七奉行」と呼ばれていたことにちなんだものだ
会合の名目は、渡部氏の慰労と忘年会。だが、小沢氏が訪中している間隙(かんげき)を縫っての会合なだけに、「選挙と国会を仕切る小沢氏を牽制(けんせい)する意味合いがあるのでは」(若手)と、額面通り受け取る向きは党内には少ない。
鳩山由紀夫首相の偽装献金問題や米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題などで政府が迷走し、鳩山首相の進退が取りざたされていることも、こうした憶測を広げる一因となっている。小沢氏と距離を置く勢力が集まっただけで、「『ポスト鳩山』をにらんだ党内政局の地ならし」(同)という色合いが出てくるわけだ。
小沢氏とは当選同期だが、ときに小沢氏批判を激しく展開し、両氏の関係は修復困難と見る向きもある。9月の党役員人事で党最高顧問の肩書をはずされたのも、両氏のギクシャクした関係の裏返しだ。
「みんな立場は変わったけども、心は変わらないで同じつきあいをしていく」
渡部氏は記者団に会の結束ぶりをアピールした。小沢氏の訪中について水を向けられると、「そんなの知らねえ」。この日の会合が「小沢氏支配」へと評される党内事情に一石を投じることになるのか。鳩山政権の屋台骨が揺らいだとき、真価が問われることになりそうだ。(産経)>
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4560 小沢訪中団、「そんなの知らねえ」と黄門様 古沢襄

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