しかしパキスタンタリバンはオラクザイ地区へ大量に潜伏。十月から開始された南ワリジスタン(パキスタンとアフガニスタン国境に拡がる無法地帯)の平定作戦は、パキスタンの精鋭軍三万を投入した。
同時にパキスタンのあちこちで爆弾テロが急増し、パシャワール、ラホール、ラウルピンジ、イスラマバード、カラチに自爆テロの猛攻がなされた。
「南ワリジスタン平定作戦は終わったが、つぎにオラクザイ地区への攻撃に移る」とジラニ首相が会見(12月12日)した意味はタリバン制圧に「失敗」したと同義語。現実にパキスタン・タリバンは、南ワリジスタンの北方、カイバル峠とのあいだに拡がるオラクザイ地区へ逃げ込んだからだ。
オラクザイ地区には30000のタリバンが潜伏している可能性があり、先週から武装ヘリの攻撃が開始されている。
じっさいにアフガニスタンを追われたタリバンが逃げ込んだパキスタン国境では2007年七月以来、2680名が死亡したが、およそ300万人が難民となって地域に溢れ、そのなかにタリバンが混入し、あるいは貧困のなか、若者はタリバンに加盟している。
どこまで続く泥濘(ぬかるみ)ぞ。
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4574 パキスタン軍、南ワリジスタン平定作戦は終了と宣言 宮崎正弘

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