昨日十三日、泉ヶ丘センタービルの大集会室において時事講演会を開催させていただいたところ、座席が足らなくなり、多くの方に二時間以上立ったままお聴きいただきました。予想を超える多くの皆様のご参加をいただきましたこと、心に染みてありがたくお礼申し上げます。
同時に、八月の総選挙によって生まれた現在の政治の惨状を、如何に多くの国民が愕然として危惧されているかを肌で感じ、「日本再興の土壇場」がきていると実感できました。まことに意義ある集会となりました。ありがとうございます。
本日十四日にこの時事通信を書くに際し、やはり、元禄の赤穂浪士の討ち入りに触れたいと思います。
私の推測ですが、幕末の開国により我が国に来るようになった欧米人は、既にこの赤穂浪士の討ち入りの物語を知っていたのではないかと思います。それというのも、「宝島」を書いたイギリスの作家スティーブンスンは、吉田松陰を知っていて彼の伝記を書いています。従って、この赤穂浪士のことも知られていたと推測するのです。
そしてこの物語が、如何に二十世紀初頭の日本の運命に関係し現在の日本を護っているかを知っていただきたい。
即ち、日露戦争の講和です。一九〇五年九月、アメリカのポーツマスにおいて日露講和がならず、日露再戦となれば我が国の国力は、まず財政から破綻し、満州に展開する二十五万の我が野戦軍は弾薬と物資の欠乏から崩壊する危機に直面せざるを得ません。
では、この我が国の運命にとって極めて重要な日露講和を仲介したアメリカのセオドア・ルーズベルトという大統領は、何故その労を引き受けたのか。もちろん、それがアメリカの国益にかなうからです。これは言わずと知れたこと。その上で、彼は次のように言っています。
「少年の頃、日本の赤穂義士の討ち入りの物語を読んで、血湧き肉躍ったからだ」
あの元禄の昔、隠忍辛苦して本懐を遂げた大石内蔵助等四十七士の心意気は、二十世紀のそして二十一世紀の日本の運命にも関係しているのです。嗚呼、高輪泉岳寺に参ってお礼を言いたい。
討ち入り日の前日である昨日十三日の夜、堺に住む日本一の浪曲師、松浦四郎若さんが十七歳で討ち入った矢頭右衛門七(ヤトウエモヒチ)の物語をうなってくれた。そばとうどん屋の堺東の「利久」で同志とともに聴き、血湧き肉躍った。
ところで、この忠臣蔵の物語は、封建時代という歴史を経た国々でないと分からない。つまり、主君とお家に対する忠誠を柱とする武士道、騎士道の文化をもつ国でないと分からない。
従って、中国人には分からない。彼らには、真夜中に無防備な老人を武装した四十七人がよってたかって殺したという話にしかならない。
結局、中国人そして中国共産党は、日本という国家と日本人のもつ文化は分からない。
ただ彼らから見れば、日本は未だ中国を含む全アジアを合わせた力よりも大きい経済力を持っている。従って、日本と日本の天皇は、「利用価値」があると思っているだけだ。これが、朝から晩まで反日教育を自国民に押しつけながら、のこのこ訪中する日本の国会議員に、日中友好と言って誤魔化す理由。
二十年前の天安門事件の三年後、天皇皇后両陛下は中国を訪問された。この両陛下の中国ご訪問を、時の中国副首相の銭其深が、天安門事件による西側の対中制裁を回避する戦略的狙いの元に実施され、その目的を達成したと回顧している。つまり、中国共産党は、日本の天皇を利用するうま味を経験した。
そして、この度、国会を閉会にしてまで北京を訪れた小沢民主党幹事長等六百名を越える訪問団への「熱烈歓迎」を餌に、何処の馬の骨かもわからない副主席と天皇の会見を外交儀礼を無視して要求した。
小沢幹事長はぱくりと餌に食らいついて内閣に共産党の副主席と天皇との会見をごり押しして実現させることになった。
その見返りは、自分に対する国賓的待遇とついて行った二百名近い馬鹿議員と胡錦涛とのツーショット。これらは、この写真を後援会に見せれば、選挙に有利だと思っているのだ。なんと他愛のないカモであろうか。もはや付ける薬もない。
彼ら訪中議員団は、忠臣蔵と正反対、日本人の誇りと自国に対する忠誠心のかけらもない。いよいよ、我が国文化の中枢に対して中国共産党が土足で踏み込んできた。中国は、こともあろうに、天皇を共産党内の序列争いに利用しようとしている。
この中国共産党の「土足」を呼び込み招き入れた我が国政治家の、自己の安楽さのために天皇をも利用する傲慢さは、我が国歴史上うかがうことができないほどのものだ。戦後の文化的頽廃、道義の頽廃と政治の堕落が生み出した亡国的事態である。
我が国のかたち即ち我が国の尊い国体から観るならば、この度の事態は、天皇を利用する中国共産党の使い走りとなった鳩山総理大臣と小沢幹事長の、議員辞職どころか除籍追放に該当する事態である。
彼らは、我が皇統を護らんと八世紀に発せられた宇佐八幡の神託に言う「無道の人は、よろしく速やかに掃蕩すべし」に該当する「無道の者ども」である。
宮内庁長官は、二度とあってはならないこと、と発言したようだが、一度もあってはならない、つまり、決してあってはならない事態だ。
昨日の集会で、私は次のように言った。「真の我が国政府であれば、あの、北京で笑っていた中共の野戦軍司令官とやらとその取り巻きのパスポートを直ちに失効させ我が国への入国を拒否すべきだ」
言うまでもなく、中国の人民解放軍は、中国共産党の軍隊であり、共産党の主席の指揮の下に動く。彼は自ら、その軍隊の野戦軍司令官だと言った(これは過大な自己評価だ。実質は伍長程度か)。とにかく、北京で得意になって自らの正体を明らかにした。語るに落ちるとはまさに小沢のことよ。中国共産党の指揮下にある者に我が国のパスポートを与えてはおけない。
さらに、締めくくって、次のように訴えた。「この中共の野戦軍司令官は、『日本を解放する』ために、外国人に対して我が国の参政権を行使させようとしている。
皆さん一人一人、祖国日本を自分が護るつもりで、外国人への参政権付与の動きを阻止しよう。拉致被害者救出の国民運動が我が国国政を動かしたように、九十%以上の国民が外国人参政権付与に反対している以上、必ずこの売国的動きを阻止できる。」
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4588 赤穂浪士の討ち入りの日に思う 西村眞悟

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