4591 中国傾斜に与党からも懸念 古沢襄

一ヶ月ルールは法律にはないと強弁する小沢一郎氏に対して海外通信社の仏AFPは「慣例」を破ったと報道している。どちらが正しいかは世論調査に回答を求めるしかない。
日米間の懸案処理については決断を下さない鳩山首相だが、中国側の申し入れには即断即決。野党にみならず民主党内にも批判的な意見が生まれている。
<鳩山由紀夫首相が中国の習近平国家副主席の訪日に際し、天皇陛下との特例会見を実現させるよう指示したことで、鳩山政権の中国傾斜が一段と鮮明になった。「天皇の政治利用」との批判を招いた手法には、与党内にも懸念が広がっている。東シナ海ガス田の共同開発問題など、日中間の懸案は停滞したままで、首相の中国重視がどう実益に結びつくのか、道筋は見えない。
「習副主席が次代のリーダーとしてお出ましいただいたことは、日中関係の将来にとって大変素晴らしいことだ」。首相は14日、首相官邸での会談冒頭こう語り、習氏を歓迎した。反発する宮内庁を押し切って、首相サイドが習氏と天皇陛下の会見を設定させたのは、胡錦濤国家主席の後継者として有力視される習氏のメンツをつぶすわけにはいかない、という配慮からだ。
しかし、あからさまな中国優遇には、民主党内にも「ごり押ししたイメージは否定できない」(若手)との声がある。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題をめぐる迷走で日米関係が冷え込んでいることもあり、民主党幹部は「米国の反発も予想される」と指摘した。
一連の経緯について首相は「判断は間違っていない」と強弁。しかし、広がる波紋を前に、福山哲郎外務副大臣は同日の記者会見で「今回は例外ということにした方がいい」と語り、望ましくなかったとの認識を示した。
一方、ガス田問題では鳩山政権誕生後も目立った進展はない。日本側は、共同開発に関する昨年6月の合意を受け、細部を定めた条約の締結交渉を促しているが、中国側は消極的。中国製ギョーザ中毒事件の解決要請にも、事実上の「ゼロ回答」が続いている。
首相は、日中のハイレベル交流を通じて信頼関係を構築し、諸懸案の解決につなげる意向とみられる。しかし、したたかな中国の前に「友愛外交」が通じるのか疑問視する向きも多く、「中国は(習氏と天皇陛下の会見実現で)借りができた、などとはこれっぽっちも感じないだろう」(外務省幹部)との声も出ている。(時事)
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