4661 駐米大使にクリントン長官から異例の呼び出し 古沢襄

クリスマス・イヴ直前のワシントンで藤崎駐米大使がクリントン米国務長官から国務省に呼び出された。クリントン米国務長官は「普天間問題で米国の立場は不変」と藤崎大使に釘を差した。藤崎大使は「東京に報告する必要がある」として内容を明らかにしなかった。 
国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)に出席し鳩山首相は、晩餐(ばんさん)会で隣席したクリントン米国務長官に普天間移設問題について説明し、「日本政府の結論をしばらく待ってほしい」とこの問題の越年を伝え、米側も了解したと記者会見で発表している。
日米両国の懸案事項を晩餐会の会話で打診するのはパーテイ外交の手法で許されているが、合意は正式会談でなければ出来ないのは外交のイロハ。それを一方的に記者会見で「了解を得た」と発表するのは軽率のそしりを免れない。
本来なら国務省の報道官が「了解は与えていない」と記者会見で打ち消すところだが、それも大人気ないので藤崎大使を呼びつけて、クリントン米国務長官が注意を与えたというのが真相であろう。
<【ワシントン=有元隆志】クリントン米国務長官は21日昼(日本時間22日未明)、藤崎一郎駐米大使を国務省に呼び、日米関係の現状についての米政府の見解を伝えた。藤崎大使は「東京に報告する必要がある」として内容を明らかにしなかったが、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題に関して、米側の立場に変化があったわけではなかったという。日本の駐米大使が国務長官から呼び出しを受けるのは異例だ。
藤崎大使によると、クリントン長官からは21日朝に連絡があり、約15分会談した。長官は「日米関係を重視する立場から、日米関係全般についての考え方を伝えたい」と述べたという。
クリントン長官は17日夜(日本時間18日未明)に国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)に出席した際、鳩山由紀夫首相と晩餐(ばんさん)会で隣席となり、意見交換した。この席で、首相は普天間移設問題について、キャンプシュワブ沿岸部(沖縄県名護市)とする現行計画に代わる新たな選択肢を検討するとの方針を説明するとともに、「(結論を)しばらく待ってほしい」と要請した。
首相は「(現行計画の見直しに関し)沖縄県内の期待が高まっている。日米合意は重いが、合意を強行すると結果は危険だ」として、年内に結論を出すのを見送った。(産経)>
<【ワシントン共同】クリントン米国務長官は21日午後(日本時間22日未明)、藤崎一郎駐米大使を国務省の自室に呼び、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題をめぐり会談した。国務長官が駐米大使に急きょ会談を求めるのは異例。日米関係筋によると、日米合意に基づく現行計画の早期履行を求めるオバマ政権の立場を伝え、合意見直しを模索する鳩山政権にくぎを刺した。藤崎氏は記者団の「米側の危機感の表れか」との質問に対し「重く受け止めている」と述べた。
鳩山由紀夫首相は普天間問題の結論を来年に先送りし、キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)に移設する現行計画に代わる移設先を模索する考えを表明。日本時間19日にコペンハーゲンでクリントン氏に伝え「基本的に理解してもらった」としていたが、米政府当局者は今回の会談後、現行計画が最善とする米側の立場に変化はないとの見解を示した。
21日は、米連邦政府機関は積雪のためほとんど業務を停止したが、国務長官側は同日朝に「日米関係重視との立場から考えをあらためて伝えたい」と会談を要請。藤崎氏は「国務長官が大使を呼ぶことはめったにない」としつつ、会談内容については「(鳩山首相や岡田克也外相に)報告する必要がある」として言及を避けた」(共同)>
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