北京で療養中だった朝鮮人民軍の趙明禄(チョ・ミョンロク)総政治局長兼国防委員会第1副委員長に代わって朝鮮人民軍トップだった金永春(キム・ヨンチュン)人民武力部長が姿を消していると韓国の朝鮮日報が伝えている。金正日総書記の信頼が篤い側近だけに粛清の可能性はない。糖尿病が悪化して北京で療養しているという観測がもっぱらである。
23日に平壌で行われた「金正日(キム・ジョンイル)総書記軍最高司令官推戴18周年記念行事」には、例年、朝鮮人民軍トップが出席する習わしがあるが、金永春氏が欠席して、北京で療養中と伝えられていた趙明禄氏が九ヶ月ぶりに姿を現した。趙明禄・金永春の代わる朝鮮人民軍トップがまだ育っていないことから、異常事態といえる。
<朝鮮人民軍で最高の実力者とされている金永春(キム・ヨンチュン)人民武力部長(国防長官に相当)=73=が、軍関係の重要行事に出席しないなど、およそ1カ月にわたり姿を見せていない。身の回りに何らかの異常事態が起きたのではないか、という見方が、韓国で24日に広まった。
同氏は23日に平壌で行われた、「金正日(キム・ジョンイル)総書記軍最高司令官推戴18周年記念行事」に姿を現さなかった。
治安政策研究所のユ・ドンリョル研究官は、「北朝鮮の軍幹部なら、さじを手にする力だけでも残っていれば必ず出席しなければならない行事だ。そこに人民武力部長が出席しなかったのだから、これは尋常ではない」と述べた。
一方で、病気療養中と伝えられていた朝鮮人民軍の趙明禄(チョ・ミョンロク)総政治局長兼国防委員会第1副委員長は、9カ月ぶりに姿を現した。
北朝鮮の事情に詳しいある消息筋は、「金永春氏は重い糖尿病を患っており、今年6月には中国・北京にある軍関係者専用の病院で治療を受けたと聞いている。最近になって病状が悪化したのかもしれない」と述べた。
韓国政府で安全保障関係の部処(省庁)に勤務する関係者は、「金総書記からの信頼が厚く、突然粛正されるとは考えられない」と語る一方、「現在、北朝鮮は後継者問題などで多くの不確定要素がある。そのため何が起こるか分からず、断言することはできない」と述べた。(朝鮮日報)>
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