4699 朝鮮型の出雲美人、コーカサス型の秋田美人(1) 古沢襄

司馬遼太郎は「手掘り日本史」の中で<<私たちが考えている美人は、朝鮮型>>と言っている。ポチャポチャとして、性的な魅力があるのは、朝鮮型だという。それはソウルに行くとよく分かるという。
そして出雲が朝鮮型美人の産地だと言った。王朝時代から京都のお公家さんたちは、女奉公人を出雲から呼ぶ伝統があったという。そうなると京美人は出雲美人の末裔だということになる。
私たちは日本の三大美人は京美人、秋田美人に加えてお国自慢の地元美人を数えている。博多美人、金沢美人、新潟美人などである。出雲美人といわれもピンとこない。
司馬遼太郎は日本海側の雪国美人は<<秋田ぐらいまで行くと、白皙人種ということで分類されているアイヌの血が混じっている。非常にくっきりとした目と輪郭をもった美人でしょう。どちらかといえば、コーカサス型になるのでしょう>>と言った。
山陰地方には行ったことがないが、秋田にはよく行っている。秋田の仙北市・角館(かくのだて)町界隈で、ハッとする様な美人によく出会う。色白で、肌のきめが細かく、日本一の奇麗な肌をしている。シベリアのバイカル湖には二度行ったが、日本人そっくりなブリヤート人に会った。イルクーツク大学の学生たちだったが、ロシアにも秋田美人がいると驚いた経験がある。
九州の佐賀医科大学が氷河期の後に渡来した縄文人の頭蓋骨に残された歯から遺伝子DNAを抽出して、国立遺伝学研究所のDNAデータバンクの保存データと比較研究をしたことがある。
採取に成功した29体のデータと国立遺伝学研究所の保存データを照合したら、韓国、台湾、タイのDNAと合致するものが一体ずつ。驚いたことには十七体がブリヤート人と合致している。このことは縄文人のルーツが北方のシベリアにあることを示している。縄文人のルーツが東南アジアだとされてきた学説が、科学的なデータによって覆された。
その後のDNA研究で東北人・関東人は北方シベリア系、関西人・九州人は朝鮮半島系という大まかな傾向があることも解明されている。もちろん長い年月を経て、両者には血の交流があったから、異種の日本人がふたつ存在したというわけではない
2003年6月21日にテレビ朝日が最新のDNA科学(ミコトンドリアDNA)に基づいた日本人のルーツという好番組を放映している。
それによると日本人のルーツは、大きく分けて九つのグループになり、日本人の95%が、そのいずれかに属するという。
分類 誕生地     日本人に占める割合
【D】バイカル湖西       34%
【M7】中国中部        15%
【B】中国南部         15%
【G】シベリア東部       7・5%
【A】バイカル湖付近      6%
【F】東南アジア        5%
【M9】ヒマラヤ・チベット   3・4%
【CZ】北東アジア(満州北部) 3・2%
【N9】中国南部        7%
 その他            3・9%
圧倒的に北方系が多い。ブリヤート人は古代トルコ人とモンゴル高原に住む高地モンゴル人との混血というのが定説となっている。この種族が地球の寒冷期に暖かい土地を求めてバイカル湖周辺から東漸して、その一部が、まだサハリンと沿海州が地続きだった頃、北日本にやってきたのではなかろうか。気の遠くなる様な昔の話になる。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト

コメント

タイトルとURLをコピーしました