12月27日午后、温家宝首相は新華社との記者会見に応じ、次のように来年の中国経済の展望を述べた。「目下、国際金融危機発生以後の世界は保護主義が鎌首をもたげ、中国に対して人民元の切り上げ圧力が高まっている。保護主義は『貿易保護主義』と『環境保護主義』である。
輸出偏重型の中国経済は保護主義に遭遇すると貿易障壁などで批判される脆弱性があり、このためには品質向上の努力も必要である。それと同時に保護主義の台頭は国際的な輸出市場を縮小させ、事態はさらに悪化する恐れと直面する。中国は98年の『アジア通貨危機』を人民元レートの安定という政策を堅持して乗り越えた。
今回の通貨危機にあたっても人民元切り上げという国際圧力に抗して、通貨を安定させる一方で経済の拡大に立ち向かう」。
つまり中国は人民元切り上げ圧力をかわし、当面、切り上げはしないと表明したことを意味し、国際金融界を失望させた。旧正月のあと、3月15日から十日間、中国は全人代を開催する。それまでに人民元切り上げはなさそうである。
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