東京地検特捜部の手がどこまで伸びるのか予断を許さない。「2004年10月上旬に、小沢先生から現金4億円が入った複数の紙袋を渡された」と元秘書の石川知裕衆院議員が先月の特捜部の事情聴取で供述した。この供述の意味は大きい。強制捜査に踏み切った特捜部は、石川議員の議員会館事務所からは段ボール40箱分の資料を押収した。
特捜部は大手ゼネコン鹿島本社にも15人の係官が入って捜索を行っている。仙台の鹿島東北支店にも係官が捜索を行って段ボール20箱分の資料を押収している。
これらの動きから4億円の収入を2004年収支報告書に記載しなかった政治資金規正法違反、大手ゼネコン鹿島から小沢氏側に渡った資金の流れ、の二点に絞って特捜部の捜査が大詰めを迎えたことを示している。
通常国会の直前に特捜部が強制捜査に踏み切ったのは、立件についてかなりの自信があるためだという。小沢幹事長は法に触れることはしていないと強気の姿勢を保っている。
検察特捜部と小沢氏側の全面的な最終戦争に入ったとみていい。
<民主党の小沢一郎幹事長は13日、自らの資金管理団体の土地購入問題で、東京地検特捜部が一斉捜索に乗り出したのをよそに、夏の参院選に向けた“地方行脚”を本格化させた。購入問題に関しては陳謝しつつも、法的には問題ないと強気の姿勢を崩していない。民主党の単独過半数獲得に向けて陣頭指揮に専念する構えだが、野党側は批判を強めており、小沢氏の思惑通りに進むかは予断を許さない。
小沢氏は同日夕、名古屋市で開かれた党愛知県連パーティーで、購入問題に関し「またまたお騒がせし、私の不徳の致すところで大変申し訳ない」と重ねて陳謝。しかし「決して法に触れるようなことをしたつもりはない。そのことは国民の皆さんが理解してくれたから、政権を与えてくれたのではないか」とも強調した。
小沢氏は1日に私邸で開いた新年会で「今月も半分以上、地方に行くことになる」と行脚本格化を宣言した。自ら先頭に立って陣営を引き締め、票を掘り起こすのが狙い。関係者によると、14日以降も既に7カ所の出張日程が入っている。(共同)>
<東京地検特捜部が13日、民主党の小沢一郎幹事長の土地取引問題をめぐり小沢氏の個人事務所などを家宅捜索したことについて、野党からは説明責任を厳しく問う声が相次いだ。民主党内は様子見の気配だが、連立を組む社民党などは小沢氏の責任にも言及し始めた。
自民党の谷垣禎一総裁は記者団に「強制捜査で(疑惑の)ページがめくられた」と指摘。18日に召集される通常国会の対応について「証人喚問であるとか参考人招致であるとか、できる手段を駆使して我々も真相解明に迫りたい」と語った。大島理森幹事長も記者団に「小沢幹事長の会見を見ると全く説明責任を果たしていない」と述べ、12日の記者会見で具体的な説明を避けた小沢氏を批判した。
公明党も同様だ。山口那津男代表は「最近の世論調査では説明責任が果たされていないと国民が強く感じている。国民の期待に応えるべく、徹底した国会審議が必要だ」と指摘した。
小沢氏の説明責任に加えて民主党の自浄能力を問う声もある。共産党の志位和夫委員長は「(小沢氏が)検察の事情聴取に応じ、国民にもきちんと説明する必要がある」と強調。「党代表と幹事長の2トップが疑惑を問われている。党が実態を調査し、明らかにする責任がある。できないならまともな政党とは言えない」と批判した。
みんなの党の渡辺喜美代表は「土地を買った原資が問題だ。どういう経緯で出てきたのか、国会の責務で解明していく必要がある」と語った。
連立を組む社民党も説明責任に触れはじめた。
社民党の福島瑞穂党首は「捜査を見守りたい」と繰り返したが、記者団から国会審議などへの影響を何度も問われると、最後に「国民の皆さんが納得できるような説明をする必要はあるんじゃないでしょうか」と漏らした。
重野安正幹事長は「検察が捜査に入ったことは重く受け止めねばならない」と語り、通常国会にも「大きな影響を及ぼすのではないか」。国民新党幹部は「小沢氏は民主党の中核であり、責任を取ると言っても後任は見当たらない」と不安を口にした。(朝日)>
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4781 東京地検特捜部と小沢幹事長の全面戦争 古沢襄

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