4792 石川議員の元秘書、金沢氏と記者団のやりとり 阿比留瑠比

いやあ、昨日、自民党で開かれた民主党の小沢一郎幹事長の政治資金をめぐる勉強会での、小沢氏の元秘書である石川知裕衆院議員の元秘書、金沢敬氏の証言は衝撃的でしたね。月刊文藝春秋の記事も読みましたが、実に生々しい。現時点では、すべてを事実であると鵜呑みにするわけにはいかないかもしれませんが、金沢氏は同様の内容の上申書と証拠テープを東京地検に提出しているそうですし、国会での参考人招致にも応じるといいますから、信憑性は高いのではないかと思います。そこまでやって「嘘でした。間違っていました」では、罪に問われるのは金沢氏の方になってしまいますからね。
で、この金沢氏の勉強会での証言内容は、今朝の産経の1面(土地問題 隠蔽「小沢氏の指示」 昨年の捜索時 石川議員元秘書が証言)、3面(小沢氏らとのやりとり生々しく 資料出ていたら全員逮捕 地検見逃し礼言うべき=発言要旨)、5面(金沢元秘書が証言 秘書給与ピンハネ疑惑も)と、3つの面にわたって詳細に掲載しています。
今朝の産経は1面トップでも、旧自由党が政治資金収支報告書上は藤井裕久前財務相に支出したことになっている15億円余の党費が、実際には小沢氏の関係政治団体の「改革フォーラム21」に流れていたという記事を世に問うており、手前味噌ながら読み応えがありました。昨日の自民党勉強会では、ジャーナリストの松田賢也氏は、小沢氏は50億円ぐらいのカネを持っているかもしれないと指摘していたようですが、「小沢ダム」がいま、決壊しつつあるのかもしれません
そこで本日は、この勉強会後の、金沢氏と記者団のやりとりを紹介します。内容的には、勉強会で話したものの域を出ないものですが、まあ、何かの補足か参考になればと。それは以下のようでした。
記者 自民党の勉強会で証言したが。
金沢氏 勉強会で発言した通り、私が石川氏の方から「小沢先生から指示があり『これから(小沢氏の資金管理団体「陸山会」がある)チュリスに行って、何かまずいものがあったら隠すように』といわれた」と電話があった。間違いない事実だ。
記者 石川氏も小沢幹事長も「法に触れるようなことはしていない」と発言している。
金沢氏 ご自身でやられていることは分かっているので、当然マスコミ対策向けと思わざるをえない。
記者 来週(18日)から通常国会が始まる。自民党からは参考人招致の要求もあるが。
金沢氏 私は要請があればいつでも参ります。石川氏や小沢氏のやっていることを国民の前に説明するのが私の義務だと思っている。
記者 あなたは鹿島についても言及した。小沢氏と鹿島の関係は。
金沢氏 私が石川氏から聞いているのは、西松事件の時、「西松は金額がたいしたことない。何で西松だけ捜索が入るのか」と。折しも昨日捜査が入った。地検は適正な捜査をしていると思う。
記者 それは誰と誰の会話か。
金沢氏 樋高(剛衆院議員、元小沢氏秘書)氏、私、石川氏の会話だ。証拠を隠す車中で、世間話をしていた。その時の会話だ。「こんな西松でやられて、もっと金額の大きい鹿島はやられていないから、そっちはどうなっているんだ」と。「資料を隠せて良かった」という会話も車中であった。その時に鹿島の名前ははっきりでている。
記者 今回は小沢氏の関連団体にも捜査が入っている。
金沢氏 前回は証拠を隠したのだから、今回はきちんとした証拠が出てきて、地検もきちんとした捜査ができると期待している。
記者 一連の動きをちょっとおさらいしてほしい。
金沢氏 昨年3月3日夜(大久保被告の逮捕当日)、私が東京に出てきて石川氏と打ち合わせを行い、翌4日からある程度証拠を隠す行為に及んだ。4日は朝1番で石川氏の議員会館事務所に行き、鹿島の名刺、西松の名刺、西松の政治団体の名刺、ファイルを隠し、(小沢氏に近い)松木謙公衆院議員の事務所に一度預けてから、タクシーでチュリスに行き、そこで段ボールも合わせ、弁護士の南裕史さん(元小沢氏秘書)のところに持って行った。
記者 ファイルには鹿島の名前があったのか。
金沢氏 石川事務所にはあった。チュリスから持ち出したのは分からないが、石川事務所にはあった。
記者 胆沢ダムのファイルもか。
金沢氏 それもあった。完成予想図もあった。
記者 勉強会の中で、松木議員から1月8日に電話(「石川も議員をやっていくんだから、金沢君、この辺でやめておいてくれないか」)があったと話していた。証言を止めさせようという意図を感じたか。
金沢氏 それはそうだ。松木さんからすれば石川はかわいいと思う。やはり賭け麻雀仲間でもある。毎日赤坂の雀荘で賭け麻雀をやっている。メンバーが欠けたら困るということで、私の方にも電話いただいたこともある。松木の電話では恐怖感はないが、民主党がどのような対応に出ても、私の方で引くつもりはない。徹底してこういうとんでもない政権とは戦っていきたい。
記者 小沢氏からの指示とは
金沢氏 小沢代表(当時)から石川氏と樋高氏の携帯電話に電話があった。「まずいものがあったら隠すように」と指示があったということは聞いている。
記者 この内容は録音テープなどないか。
金沢氏 石川氏と私が会話をしている録音テープがあり、それは地検特捜に提出している。手元にない。いろいろ公認する、しないを含め、石川氏と7月10日に2時間くらい私の札幌事務所で話した録音テープがある。ICレコーダーに入っている。
記者 (西松事件などの)証拠隠滅する経緯が触れられているのか。
金沢氏 少し入っている。
記者 どういう話か。
金沢氏 「証拠を隠す場面も立ち会ったのに、公認できないのはおかしいじゃないか」と私が話している。石川氏は「すいません、すいませんと。自分はできるかできないか分からないが、参院が無理なら衆院の方でもう1度小沢さんに話してみます」と話している。私は「そんないろいろやっているんだから、小沢さんにそういうところも含めて押して下さいよ」と。
記者 石川議員が隠滅に触れた箇所は。
金沢氏 多少ある。「金沢さんが言う通り、小沢さんには押します。なかなか小沢先生も手強いので公認が取れるか分からない」と話している。折りをみてテープも全部公表したい。国会で証言を求められたとき、テープを公開するのもいい。地検には、領収書のコピーや石川の行動経緯書などを出している。(了)
…政界では、よく「秘書とケンカしてはいけない」と言いますが、本当ですね。金沢氏は小沢氏本人ではなく、あくまで石川氏の、それも地元秘書だったわけですから、事件の全体図などは知り得る立場にないでしょうが、こうした部分的な体験談だけでも十分、興味深いものがありますね。フジテレビと産経新聞の次回世論調査は18日に発表されますが、この事件の動向がどう影響してくるのか、あまりしないのか。そして民主党内ではどんな動きが出てくるのか。非常に気になるところです。
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