4821 小沢家の柴犬 平井修一

(社)ペットフード協会によると、全国で飼われている犬は1300万匹を超えている(08年)。1世帯あたり1.3頭だというから1000万世帯が飼っていることになる。世帯数は4822万世帯だから世帯の2割が飼っている勘定だ。5軒に1軒。
<最初に人間が親しくなった動物が犬ということである。犬がいることにより、人間は狩りをしやすくなり、他の獣の襲撃から守られた。犬は、恩を忘れず、忍耐強く、牧羊犬など畜産との関係も深いものがある。盲導犬や災害救助犬、警察犬、最近では検疫犬・・・家族同様のつきあいができるのが犬である>(日本獣医師会)
世界の犬の頭数は不明のようである。イスラム教徒は戒律で犬(と豚)は飼わないという。個人差があるようだが、それにしてもずいぶん細かいことまで規制する宗教である。
それはさておき、今でも犬は韓国、中国などで食されている。
<犬肉料理としては、韓国料理のポシンタン等が有名だが、犬食の歴史は古く、中国大陸をはじめとする広い地域で犬を食用とする習慣があった。犬食の習慣は日本を含めた東アジア、東南アジア及びハワイ、ポリネシア、ミクロネシア、オセアニアなどの島嶼に於いて多く存在した・・・
『日本書紀』天武天皇5(675)年4月17日のいわゆる肉食禁止令で、4月1日から9月30日までの間、稚魚の保護と五畜(ウシ・ウマ・イヌ・ニホンザル・ニワトリ)の肉食が禁止されたことから、犬を食べる習慣があったことはあきらかである>(ウィキ)
戦後でも田舎では野犬を捕獲して食すことは珍しいことではなかったようだ。父の話では調理した犬肉を飼い犬にやったら「ウー!」と唸って決して食べようとはしなかったという。共食いはしないようだ。幼かった小生は食べさせられたかもしれない。聞くのを忘れた。
田舎で育ったのでイナゴ、ハチノコ、カエルは好んで食べた。ヘビは小学2年生の頃に食べたのが最後だが、味は思い出せない。最後にカエルを食べたのは30年前の台湾屋台であった。うまかった。
犬に話を戻すと、我が国では犬の7割は室内で飼われている。犬種にもよるが、排泄のあとにきちんと清拭(せいしき)しない犬も多分多く、糞尿はカーペット、さらには布団にも付いている。
部屋の隅には抜け毛が綿ぼこりとともに集まっている。我が家の犬の場合、風呂は年に6回ほどだろう。清潔とは言えない。夜にはこれが布団にもぐりこんで来るのである。
犬と暮らすことはそういうことで、結構バッチイが、多くの人がそれを受け入れている。旅行にも行けない不自由さをも犠牲にしながら犬を飼うのは不条理で、不条理を忘れさすほどに可愛いから犬の勝ちである。ワン!
カミサンは帰宅すると犬を抱きしめるが、小生はそんなことをされた経験はない。「あら、アンタいたの?」っていう感じである。ワン、ワン!
犬は「沈黙は金」と心得ているが、小生は時々カミサンに反論する。反論すれば「可愛くない」から愛されない、抱きしめられない。ワン、ワン、ワン!
膨大な手間と2000万円かけてもどうなるか分からない子供よりも、家族の絆、カスガイをペットで代行しようという家庭は増えるばかりだろう。ワン、ワン、ワン、ワン!
小沢家の犬は主(あるじ)不在で寂しい思いをすることになるのだろうか。Xデーを楽しみにしている小生は、我が身のスノビズムをもてあましている。
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