このまま小鳩体制で突っ走れば、参院選でゴロ負けになりかねないと民主党内に危機感が生じている。起死回生の一打として、参院選の直前に鳩山首相が訪朝して拉致被害者を連れ帰るというサプライズの演出も党内で囁かれている。いつか来た道、小泉元首相の演出の民主党版というところ・・・。
怖いのは検察でもなければ野党・自民党でもない。マスコミ各社の世論調査で一斉に示された国民世論の厳しい批判である。さりとて「検察との全面対決」の上に「マスコミとの全面対決」を掲げるのは自殺行為にほかならない。
ここは「政治とカネ」の疑惑がある小鳩体制から脱して「菅総理・原口幹事長」の看板に塗り替えて参院選に臨むのが最善の選択だと思うが、豪腕・小沢幹事長を欠いた選挙戦では、いま一つ自信が持てないというのが多くの民主党員の気持ちであろう。
ハラハラ、ドキドキしながら氷結した川を渡るというのが、動揺している民主党の姿といえる。これも、いつか来た道、不評の麻生首相を代えられなかった自民党政権がよもやの大敗を喫したお手本がある。自民党にも再起の兆しすらない。参院選の帰趨を今から占うのは早過ぎるが、民主、自民両党が伸び悩み、他の政党が勢力を伸ばす気配がある。
小沢幹事長が言う様に参院選こそが政局の帰趨を決める選挙になるだろう。
<第174通常国会が召集された18日。報道各社の世論調査は、民主党の小沢一郎幹事長の辞任を求める声が軒並み、7割を超えたことを報じ、党内に大きな動揺が広がった。
「政治家は自分の立場を守ることを一切考えちゃいかん。みんなが国民の政治への信頼を取り戻すために命を捨てるんだ」「思ったことを言えないなんて。徳川時代だって言っていたはずだ。まして今は民主主義社会だ」民主党の渡部恒三元衆院副議長は、国会内で報道陣に何度も取り巻かれると、そのたびにこう強調した。
「小沢支配」の党内で、渡部氏だけは小沢氏に苦言を呈してきたが「批判はおれだけでいい。若いみんなはしなくていい」とも周囲に語ってきた。だがこの日は本音を語るように中堅・若手を促した。さらに「重い立場の人が自分より国の政治が大事ですという大きな立場で決断することを望む」と事実上の辞任勧告にまで踏み込んだ。
この発言を契機に、反小沢の動きが水面下で動き出す可能性が出てきた。
党執行部も世論調査に動揺している。平田健二参院国対委員長は「報道で世論は大きく動く」とマスコミに八つ当たり気味。輿石東(こしいし・あずま)参院議員会長は党の会合で「(国会は)いろんな予想できないことが起こり得るかもしれない」と認めつつ団結を訴えるのが精いっぱいだった。
民主党の当選2回の衆院議員13人は18日、急遽(きゅうきょ)、国会内で検察批判の会合を開いた。「石川知裕衆院議員の逮捕は不当だ」。世論の反発を押し返そうと懸命だった。
世論の変化を感じ取る若手は多い。首都圏の若手議員は「街頭演説をしたが一昨日からガラっと変わった。『小沢辞めろ』とやじられた」。小沢氏に批判的な中堅は「有権者は鳩山と小沢以外の民主党議員は貧乏だって知っている。2人を追い出せばいい」とまで語った。マグマは蓄積されつつある。(産経)>
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4822 小沢氏問題の世論調査結果で民主に動揺 古沢襄

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