まだ地盤固まらず地滑り,崩落危険箇所は4000。あと30万人の移住が必要=世界最大三峡ダムの現状。重慶市全人代は2010年1月21日に黄奇帆市長が特別報告し、三峡ダム周辺の住民をあと三十万人立ち退きが必要であるという衝撃の結果を伝えた。
世界最大の三峡ダムは第一期工事が完成し、すでに発電は開始されている。水没面積は3725万平方メートル。水没した工場は1397蔽。
今日までに113万8千人が重慶などへ移住した。重慶にはかれらを受け入れるための住宅、文化センターなどを建設。とくに出身地の村々による新住宅地を984ヶ所に建設し、ダムの工事費などを合わせて542億元を投資した。今日の換算レートで邦貨になおすと7兆5千億円。当初の計画は3兆円だった。立ち退きも80万人の予定だった。
175メートルの貯水が開始され、予測された水没箇所は道路、送電線、鉄道、工場、民家、農地など。
そして予想の範囲を超える被害が拡がる。第一は水質の汚染である。化学肥料工場、医薬品工場は毒性の原料もろとも水没し、つぎに厠群が水没し、その汚染の悪質さは生態系をかえる。魚の大半が死滅した。付近住民には原因不明の病気、食中毒が顕著に報告されている。
第二は地滑り、崩落による小規模な地震が数千回。これが二次災害を招来し、新しく地盤沈下、崩落をよぶ。第三は移住した住民等の雇用不安。これが治安悪化をまねき、小規模な暴動は日常茶飯となっている。
ここに新しく30万人の移民が必要であると公式に報告された。世界最大の水利発電ダムは、災害プロジェクトでもあった。
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(読者の声1)中国バブルに関して(強気と弱気の典型論客である)Chanos 対 Rogers(Bear対Bull)の論議がその後も続いておりましたが、Rogers氏は1月19日付けのブルームバーグで中国不動産バブルに対しての懸念を示していたようです。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601080&sid=aPdM9KvA5TIs
Rogers氏は不動産バブルを指摘するものの、中国経済はとてもバブルという状況ではないとも言及しています。「中国には200兆円以上の外貨準備があるから大丈夫」とか「確かに住宅の価格は上昇している、しかし中国には健全な需要もある」とChanos 氏への反論(?)がありましたが、不動産バブルについてはRogers氏もこれを認めた模様です。(MI5)
(宮崎正弘のコメント)小誌2849号にも書きましたが、中国の銀行当局は新規貸し出しを事実上停止しました。もし、不動産バブルがこれではじけないとすれば、あの国には経済理論は通じない、モンスターがいることになります。
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(読者の声2)貴誌2850号ロシアの闇経済に関して。昔から、イタリアなどは、アンダーグラウンドの経済のほうが政府統計のGDPよりもおっきいと言われる。地下の人間どもの方が元気がいいと。
ましてロシアやチャイナの闇は深い。売春~麻薬~爆窃団、。小沢・鳩山はこういう不潔な闇の活動を好む体質。前原などアンチ小沢らは、潔癖な性格から。検察は行政機構の、つまり内閣の監督下にある官僚。しかし、司法の基礎である捜査~立件を仕事とする。
この東京高検の上部に小沢に内通する人間がいる。たぶん、1,2人。検察の内部では知られているから、そのリークの内容は諸刃の刃。つまり小沢に利するとは限らない。内通する理由はカネ。小沢に弱みを握られているわけだ(笑)。(伊勢ルイジアナ)
(宮崎正弘のコメント)アメリカから日本が透視できるんですね。
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4845 世界最大三峡ダムの危うさ 宮崎正弘

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